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「世界初、プラスチック消しゴム」シード(関西企業のチカラ)
土産や掃除品、新分野開拓

2017/4/11 2:30
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 おなじみの青いケースの消しゴム「レーダー」。製造販売するシード(大阪市)はデザイナーと組んで開発した商品で販路を開拓したほか、消しゴムの製造技術を応用して住宅の掃除用品を手掛ける。少子化で消しゴム市場の縮小が避けられない。「消す」をキーワードに新分野に挑む。

青いケースの消しゴム「レーダー」(大阪市の東急ハンズ梅田店)
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青いケースの消しゴム「レーダー」(大阪市の東急ハンズ梅田店)

 東京大学の生協で入荷するとすぐ売り切れるという消しゴムがある。シードがデザイン会社のグラフ(兵庫県加西市)の北川一成氏と手掛けた商品だ。金色のケースに東大のロゴをあしらった黒い消しゴム。1個500円と決して安くはないが、シードの玉井繁社長は「受験のお守り代わりに箱ごと買っていく人もいる」と話す。

 関西では定番のレーダーだが、全国では文具大手に後れを取る。北川氏と連携したデザイン性の高い商品で知名度向上を狙う。通常なら80円の消しゴムがデザインの力で販売単価が上がる。平等院(京都府宇治市)の土産用も作った。

 シードはゴム製品を幅広く手掛けていたが、戦後の物資不足で消しゴム一本に絞った。1956年には原料を天然ゴムから切り替え、世界初のプラスチック消しゴムを売り出した。転機は70年。雑誌「暮しの手帖」の商品テストで「レーダーは性能がトップだった上に値段も安い」と評価され、ロングセラーに育った。

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 ただここ数年は国内市場の縮小が続く。OEM(相手先ブランドによる生産)供給していた大手文具メーカーが消しゴムを内製化しているのも痛手だ。生産量はピーク時より4~6割少ない日産20万~30万個に減った。

 文字だけでなく住まいの汚れも消せたら――。こんな発想で誕生したのが掃除用品のシリーズだ。水あかや壁の汚れを消しゴムのようにこすって落とす。樹脂原料を混ぜて成型する技術は消しゴムと変わらない。既存設備で生産できる。「消しゴムだけでは生き残れない」。玉井社長の危機感が原動力になっている。

(伊藤大輔)=随時掲載

<トップの一言>「消すもの」軸に、ぶれぬ商品開発

 1989年に世界で初めて修正テープを発売したのもシードだ。玉井繁社長は当時、開発の責任者だった。修正液に後発メーカーとして参入を狙ったが苦戦した。「悔しさがバネになった」と振り返る。

 事業の幅は広がったが、一貫するのは「消すものづくり」だという。商品開発の軸がぶれないように目を配る。「消すことにこだわり、面白い商品を出していきたい」と意気込む。

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