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春秋

2017/4/9 2:30
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 「もう行かないとな」「思いきって行っちゃいなさい」。昭和のホームドラマには、こんなセリフがよく出てきた。結婚の話である。お嫁に行きなさい、もう行きなさい……。親たちは娘をこうせかしたのだ。適齢期、婚期といった言葉をみんなが口にした時代である。

▼国立社会保障・人口問題研究所の統計を見ると、日本人の初婚年齢は長いあいだ、意外に変わらなかったことがわかる。男は27~28歳、女は23~24歳。これが戦前からの相場だ。戦後はじりじり上昇するが30年前の1987年でも男が28.4歳、女が25.7歳である。結婚は「クリスマス」までが勝負などと世間は囃(はや)した。

▼そういう雰囲気はある時期からガラリと変わり、一生独身という人が珍しくない昨今だ。社人研が先日公表した調査によれば、50歳までに一度も結婚したことがない人の割合を示す「生涯未婚率」は2015年に男で23.37%、女が14.06%と過去最高になったという。背景には非正規雇用の増加などの問題もあるようだ。

▼それにしても、人々のよほどの意識変化なしにこの激変は起きなかっただろう。この国の未来に与える影響は別として、適齢期だ、クリスマスだという結婚圧力社会から、男も女も逃げ出したとすれば感心ではある。そうそう、50歳まで独身なら「生涯未婚」だなんて、昭和ドラマみたいな定義もそろそろやめたらどうか。

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