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シリア和平へ大国は結束を

2017/4/7 2:30
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 許しがたい犯罪行為である。内戦が続くシリアの反体制派の支配地域で、化学兵器を使ったとみられる空爆があり、女性や子供を含む多数の市民が犠牲になった。

 シリアのアサド政権軍による攻撃が疑われているが、政権は関与を否定している。

 アサド政権は2013年に化学兵器禁止条約に加盟して全廃を約束したが、その後もたびたび使用疑惑が浮上してきた。温存してきたなら、国際社会を欺く行為と言わざるをえない。まずは早急に事実関係を調査する必要がある。

 シリア内戦のきっかけとなった反体制デモが始まってから6年が過ぎた。内戦の死者は30万人を超えたとされ、国外に逃れた難民は500万人に達した。国家存続の瀬戸際にあると言っていい。

 これほど長引くのは、アサド政権を支えるロシアやイランと、反体制派を支援する米国やサウジアラビアなどとの対立が協調を阻んできたからだ。効果的な手が打てない国際社会の対応が混乱を広げ、過激派組織「イスラム国」(IS)の台頭を許す隙を生んだ。

 しかし、今年に入り、ロシアやトルコが主導する和平会議がカザフスタンで開かれた。舞台をジュネーブに移し、国連が前面に出る形で断続的に協議が続いている。米トランプ政権はIS掃討でロシアとの協調を探り、アサド政権の存続を容認する姿勢に傾きつつあるとみられてきた。

 今回の事態はこの流れを変えかねない。トランプ大統領はアサド政権が「一線を越えた」と強く非難した。国連安全保障理事会の緊急会合では、非難決議の採択を求めた米英仏に対し、ロシアの反対で先送りされる従来の構図が繰り返された。

 国民を虐殺するアサド政権は罪を免れない。一方で、これ以上の流血を止め、国際社会が連携してISを排除することは極めて重要だ。内戦を終わらせる和平プロセスを頓挫させてはならない。大国は改めてその責任を自覚し、和平の実現に結束すべきである。

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