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発足30年迎えたJRの課題

2017/4/5 2:30
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 旧国鉄の分割民営化で誕生したJR各社が今月、発足30年を迎えた。旧国鉄では労使対立による運行の遅延が頻発し、末期には毎年1兆~2兆円もの赤字を垂れ流した。それに比べJR各社は経営の自主性や健全性を取り戻し、財務体質や乗客へのサービス水準は大幅によくなった。

 だが30年を経て新たな課題も浮上している。なかでも差し迫っているのは、乗客が減り続ける地方ローカル線の存廃問題だ。

 JR北海道は昨年11月に、同社の路線網の約半分に当たる13線区1237キロメートルを「当社単独では維持することが困難」と発表した。線路などのインフラ部分を自治体などが保有する方式やバス転換を検討し、利用者や沿線自治体に理解と協力を呼びかけている。

 JR四国の置かれた状況も厳しい。東日本など他のJR各社も、個別線区でみれば多数の赤字路線を抱えている。

 鉄道の特性は一度に大量の人や貨物を運べることだ。線路の敷設や保守に要する固定費は高いが、大量輸送によって1人当たりの単価が下がり、二酸化炭素の排出削減などにもつながる。

 逆に利用者が少ないと大きな赤字が避けられない。わずかな人数を大型の鉄道車両で運ぶより車やバスで運んだ方が、環境面でも負荷の小さい状況があり得る。

 さらに赤字が続けば線路などの保守管理費や耐震投資の原資を捻出できず、鉄道の基本である「安全」が揺らぐ恐れさえある。

 こうしたことから、人口のまばらな地域ではバスなど他の輸送手段を活用し、地域の公共交通を持続可能な形で再構築することを真剣に検討する必要がある。

 東日本大震災で被災したJR東の気仙沼線と大船渡線は、鉄道の復旧ではなく専用道を走る高速のバスサービスを導入し、地元のニーズに合わせて病院や高校を経由する路線を用意した。

 JR各社は地域社会としっかり向き合い、人口減少時代に適合したあり方を構想してほしい。

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