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欧州のポピュリズムに懸念が消えない

2017/3/21 2:30
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 反イスラムや反欧州連合(EU)などの排外的な主張がどれだけ支持を広げるか、欧州政治の流れを左右する国政選挙が今年は相次ぐ。その第1弾となった先週のオランダ下院選挙では、極右の自由党が予想外に勢いを欠く結果となった。

 極右勢力が躍進すれば、影響は4~5月のフランス大統領選挙に及んだり、EUの不安定化につながったりする可能性があっただけに、欧州にとって好ましい結果だったといえる。

 自由党はイスラム教の礼拝所廃止といった過激な主張を掲げて支持を増やし、一時は第1党の座をうかがう勢いも示した。しかし中道右派の与党、自由民主党が首位の座を守り、次期政権への連立協議で中心になることが確定した。

 投票率は8割にのぼり有権者の関心は極めて高かった。EU離脱を決めた英国からトランプ米大統領誕生へと、欧米ではポピュリズム(大衆迎合主義)的な政治の動きが続いている。その連鎖が及ぶことをオランダ国民は拒否した。

 だが、有権者が必ずしも主流政党の支持で結束した結果でない点には注意する必要がある。自由民主党は勝ったとはいえ、議席を減らした。連立与党の一つである中道左派の労働党は大敗し、代わりに環境政党が大きく伸びた。

 極右への集中は回避したが、与党への批判票が左右の政党に分散して向かったもようで、既存政治への不満が根強いことを示した。

 欧州政治の焦点は4月下旬からの仏大統領選に移る。世論調査では極右政党・国民戦線のルペン党首が、中道系の独立候補マクロン元経済産業デジタル相と争う展開だ。中道の左右二大政党の候補はいずれも勢いがない。

 移民規制やEU、ユーロ圏からの離脱など過激な政策を掲げるルペン氏が大統領に当選すれば、欧州は混乱が必至だ。最終的にはマクロン氏が有利とみられているが、予断は許さない。

 9月に議会選を迎えるドイツでは、難民排斥を訴える民族主義政党が注目を集めている。排外的な勢力が支持を得る流れがどこまで及ぶのか、不透明感は消えない。

 保護主義的な姿勢をみせる米政権への対応、近く始まる英国とEUとの離脱交渉など、欧州が抱える懸案は多い。仏独という中核国が過激で排他的な勢力を選挙で退け、安定した政治基盤を堅持できるか、引き続き目が離せない。

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