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好循環つくれぬ「官製春闘」

2017/3/20 2:30
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 賃金の伸びをテコに経済を活性化させようという政府のもくろみが、腰折れしかねない状況といえよう。自動車、電機などの主要企業の賃上げ回答は、昨春に続いて、毎月の基本給を引き上げるベースアップ(ベア)が多くの企業で前年を下回った。

 経営者が積極的な賃上げを継続できる環境が、整っていないことの表れともいえる。規制改革など政府は企業活動を活発にする政策に力を入れるべきだ。

 トヨタ自動車のベア回答は昨年より200円少ない1300円、日産自動車は半分の1500円だった。電機は日立製作所パナソニックなどが昨春より500円少ない1000円にとどまった。

 前年割れの背景には、米トランプ政権の発足や英国の欧州連合(EU)離脱決定などで、世界経済が不透明さを増していると経営者が受け止めていることがある。

 企業に求められるのは、そうした外部環境の変化を乗り越えて、賃上げの原資となる収益を着実に高める経営力だ。日本の1人あたりの付加価値は伸び悩んでおり、生産性の向上を急ぐ必要がある。

 企業の後押しこそ、政府の役割である。成長分野への企業の参入を阻んでいる壁を取り払ったり、人工知能(AI)やロボットなど新技術を活用した経営効率化を広げたりするためにも、規制の見直しは重要になる。

 投資家の声を生かし、経営者に成長投資など収益力の向上を促す企業統治改革も意義が大きい。働いた時間でなく成果に対して賃金を払う「脱時間給」制度など、労働生産性を高める働き方の制度も整備が急務だ。

 政府が企業に賃上げを要請する「官製春闘」は今春で4年連続だ。だが、要請すれば賃上げが順調に進むというものではないことは、はっきりしてきたといえる。

 賃金が上がって消費が伸び、企業収益が拡大してそれがまた賃金を増やすという「経済の好循環」を政府は描く。実現のため、政府はやるべきことをやってほしい。

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