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日本はTPP11カ国の協調を主導せよ

2017/3/19 2:30
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 環太平洋経済連携協定(TPP)の署名国は、米国がTPP離脱を正式に決めた後で初めてとなる閣僚級会合を開いた。

 TPPは実質的に世界標準となる貿易・投資ルールである。米国を除いた11カ国が、地域の経済統合の原動力としてのTPPの役割を強調したのは当然だ。

 TPPの将来像をめぐり、11カ国には温度差がある。

 たとえば、オーストラリアやニュージーランドは米国を除いた11カ国での発効を主張したとされる。農業国である両国は米国と競合している。米国が離脱すれば、その分だけアジアや中南米に牛肉などを輸出しやすくなる。

 これに対し、日本などは最大の経済大国である米国のTPP参加が重要との立場から、米国抜きの発効に慎重だ。中南米の一部の国には中国や韓国の参加に期待する声もある。三者三様だ。

 大事なのは、11カ国の結束を固めることだ。5月下旬の次回会合までに各国は意見の隔たりをできるだけ埋め、合意点を見いだす努力をすべきだ。そのために日本こそ指導力を発揮すべきだ。

 米国が加わったTPPが理想型なのはたしかだ。しかし、トランプ米政権が近い将来にTPPに復帰するとは考えにくい。

 米国にはいつでもTPPに戻れるように門戸を開けておく。同時に、次善の策として、米国を除く11カ国でTPPを発効できるように、発効条件の変更といった協定内容の部分的な見直しの準備も進める。

 また、各国が個別に米国と2国間の自由貿易協定(FTA)を結ぶのも排除しない。そんな3段階の対処方針で11カ国が協調できるように働きかけてはどうか。

 「米国抜きのTPP」に米国が難色を示す可能性はあるが、そうした選択肢を考えざるを得ない状況をつくった責任は米国にある。

 TPPはモノにかかる関税撤廃だけでなく、知的財産権の保護、電子商取引、環境、労働などの新たなルールも定めている。

 米国が約束した関税撤廃が実現しない欠点を割り引いても、透明性の高いルールをアジア太平洋地域に広げていく利点はきわめて大きい。

 11カ国によるTPPは、日本が今後の米国との通商協議を優位に進めるためのカードになる可能性も秘める。日本が率先して汗をかく必要がある。

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