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着地点みいだした国会の天皇退位論議

2017/3/18付
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 天皇陛下の退位に向けた法整備をめぐり、衆参両院の正副議長が国会としての提言を安倍晋三首相に伝達した。1月以来の各党派の議論を踏まえた内容である。

 一代限りの特例法を主張する与党と、皇室典範改正による恒久制度化を求める野党が当初は対立していたが、双方が歩み寄った。退位を特例法で定めたうえで、特例法と典範が「一体をなす」と典範の付則に明記するという。

 大きな政治問題としないで国民の多くが納得できそうな着地点を見いだした努力を、評価したい。首相はできるかぎり尊重して法案づくりを進めてほしい。

 特例法と典範の付則という枠組みは、国民を代表する国会が退位をそのつど判断できる。それを通じて、象徴天皇制に対する国民の理解と共感が一層ふかまる。

 「典範による皇位継承を定めた憲法2条に違反する」との疑いも払拭される。退位は例外的措置としながらも、将来の退位の先例にもなり得ることも明らかにした形で、妥当だろう。

 提言はまた、今回の退位論議にいたった事情を特例法に詳細に記すよう求めた。昨夏の陛下の「おことば」への国民の共感など固有の事情を強調することで、今後、恣意的、強制的な退位につながるのを避ける狙いだ。

 退位の手続きや退位後の敬称、待遇も規定すべきだと指摘した。ほぼ200年ぶりとなる退位を円滑にすすめるための配慮を重ねており、評価できよう。

 「おことば」の末尾で陛下は、皇室の安定的な持続にも強いお気持ちをにじませた。「女性宮家の創設等」について提言は、特例法の施行後に検討すべきだという点で政府と各党派が一致している、と明示した。

 ただ、結論を得る時期について思惑の違いは大きい。提言は、付帯決議に盛り込むことも含め合意に向けた努力を各党派に促した。注目していきたい。

 政府の有識者会議も近く再開される。大型連休前後とされる法案提出に向け、詰めなければならない点は数多い。特に、暮らしに影響の大きい改元の時期に関してはスピード感が必要だ。

 2019年元日の改元が検討されているとされるが、それには様々なシステムやカレンダーなどの手直しがともなう。国会はさらに政府と意思疎通を密にして「国民の総意」づくりに努めてほしい。

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