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経済の安定に資する米の緩やかな利上げ

2017/3/17 2:30
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 米国が昨年12月に続く利上げに踏み切った。経済が順調に回復しているのを映した決定である。緩やかな利上げの継続は、金融の不安定化を防ぎ、米景気拡大の持続力を高めることにもつながる。

 米国の金利上昇は資金の米国への回帰や一層のドル高につながる可能性もある。海外からの資金依存度が高い新興国は、変化に耐えられるよう国内の経済構造を強固にしていく必要がある。

 2015年、16年と1年に1回だけだった従来に比べれば利上げペースを速めるものの、内外の経済状況を見極めながら慎重に判断する姿勢は変えない。イエレン米連邦準備理事会(FRB)議長が、利上げ発表後の記者会見で示したのはこうした考え方だろう。サプライズを避けつつ政策を決めていく姿勢は評価できる。

 米国が経済回復に伴い金利を引き上げることは、将来景気が悪化したときの利下げ余地を増やす面もある。ゼロ金利の壁にぶつかる可能性を減らせるという意味でも、経済の安定に貢献する。

 米国経済には、仕事がみつからない人がなお多いといった問題が残る。だが、その解決手段は景気刺激よりも、求職者の技能と需要が合わないミスマッチの解消といったミクロ政策に移っている。

 米国経済や金融政策にとって最大の不透明要因は、皮肉なことにトランプ米新政権の政策運営だ。

 減税やインフラ投資などの財政刺激策がどこまで実現するのか、保護主義的な政策を本当に実施するのか。これら次第では経済や金融政策が予想された道筋からはずれる可能性がある。トランプ大統領は来年2月に任期が切れるイエレン議長を再任しない姿勢を示しているが、どんな人を後任にするのかもまだ見えてこない。

 日本にとっては、米経済の改善や米金利の緩やかな上昇はプラス材料だ。日本の景気押し上げや、円高が進みにくい環境をつくりだすからだ。副作用を伴う一段の金融緩和を迫られるリスクも減る。

 物価がほぼ横ばいにとどまる日本は、短期の政策金利を米国と同じように高められる状況にはなっていない。ただ米国の利上げ継続に伴い、日本の長期国債金利には上昇圧力が高まる可能性がある。

 日銀は、昨年9月に10年物国債の利回りを0%程度に誘導する政策を導入したが、この水準に抑え続けることの是非についても今後議論がなされるべきだろう。

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