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長期の温暖化ガス削減へ具体策を詰めよ

2017/3/15 2:30
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 2050年にかけての温暖化ガスの削減戦略を環境省、経済産業省の有識者会議がそれぞれまとめた。双方の内容には隔たりがあるが、政府はこれらをもとに新しい国際的枠組み「パリ協定」の削減目標達成へ向け、着実に長期戦略づくりを進めてほしい。

 パリ協定は世界の平均気温の上昇を2度未満に抑え、今世紀後半に温暖化ガス排出を実質ゼロにする目標を掲げた。参加国に短期の削減目標を出させ、5年ごとに見直して最終目標に近づける。

 より長期の戦略も20年までに出すよう求めている。両省のとりまとめはその基礎となるが、日本が50年までに排出を80%減らす目標に、どこまで真剣に向き合うかという点で考え方が異なる。

 環境省の会議は排出を80%減らした社会の姿を可能な限り具体的に描き、実現に必要な対策や技術を例示した。経産省側の会議はこの目標が現実的ではなく、達成にこだわらないとしている。

 50年は遠い将来で、何が起きるかわからない。米国のトランプ政権も温暖化対策に後ろ向きだ。だが、着手が遅れるほど後が大変になるのは間違いない。日本は対策の手を緩めるべきではない。

 両省の会議の見解は、温暖化ガスの削減手段でも異なる。環境省側は排出上限を決めて超えた分を買い取る排出量取引や炭素税など「カーボンプライシング」の早期導入を提唱した。

 一方、経産省側は海外の失敗例も目立つなどとして効果を疑問視し、導入に極めて慎重だ。日本鉄鋼連盟などは、排出量取引はイノベーションへの投資を妨げかねないと批判する。

 しかし、温暖化ガス排出をコストととらえるカーボンプライシングが脱化石燃料への転換を促すとの考えは世界で広がっている。国内でも炭素税は工夫次第で受け入れ可能とする声もあり、選択肢として検討すべきだろう。

 もちろん、世界の排出量の3%しか占めない日本の努力だけでは限界がある。優れた環境技術の輸出で途上国の排出削減をめざす取り組みなども一層推進したい。

 温暖化ガスの排出量を大きく左右する、原子力発電への依存度をどうするかも極めて重要だ。政府は30年時点の電源構成の20~22%を原発で確保する計画だが、再稼働が進まない現状を考えると実現は難しい。新増設の是非を含め方針を明確にする必要がある。

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