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韓国は現実見据えた大統領選の論戦を

2017/3/12 2:30
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 韓国の政治混乱はついに憲政史上初めて、大統領罷免という異例の事態に至った。憲法裁判所は旧友の国政介入事件で国会が可決した朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾訴追を妥当と判断した。

 憲法裁は、朴氏が旧友の利益のために大統領の地位と権限を乱用したと認定。国家機密を含む文書の流出も守秘義務違反に当たるとした。検察などの捜査に応じなかったことも問題視し、「国民の信任に対する裏切り」と断じた。

 弾劾は8人の裁判官全員が賛成した。韓国では朴氏の罷免を求める声が圧倒的で、こうした厳しい世論の圧力も働いたようだ。

 とはいえ、混乱をここまで深刻化させた責任は朴氏自身にある。

 自らの醜聞に対して真相を明らかにせず、検察の聴取も拒んだ無責任な態度が国民の激しい怒りを誘ったといえる。朴氏は罷免により失職し、不逮捕特権も失った。職権の乱用や政財界の癒着など韓国政界の悪弊を断つうえでも、徹底した捜査が欠かせない。

 朴氏をめぐる騒動とともに、次の焦点となるのは60日以内に実施される次期大統領選だ。

 直近の世論調査ではすでに、革新系の最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表がトップを独走する。保守系の朴氏の罷免を追い風に、野党系の候補がさらに勢いを増すとの観測が目下のところは優勢だ。

 懸念されるのは、野党勢力に朴政権の政策まで全面否定する動きが出ていることだ。とくに北朝鮮とは融和路線に転換し、米韓や日米韓の安全保障協力を見直すべきだとの議論が浮上している。

 しかし、北朝鮮は金正男(キム・ジョンナム)氏の殺害事件を起こしたほか、弾道ミサイルも相次ぎ発射し、挑発行為をさらに激化させているのが現状だ。

 米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備、日韓が結んだ軍事情報包括保護協定(GSOMIA)は、北朝鮮の脅威に日米韓が連携して対処するうえで欠かせない。

 野党勢力には日韓の慰安婦合意の再交渉論もくすぶる。「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった合意の見直しは言語道断だ。仮にほごにするようなら日韓の信頼関係は損なわれ、韓国に対する国際的な信認も失墜するだろう。

 大統領選では世界の現実を直視し、韓国の真の国益につながるような冷静な論戦を求めたい。

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