先読みウェブワールド

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

米入国時にスマホ検閲 暗号化・データ削除で備えよ
瀧口 範子(フリーランス・ジャーナリスト)

2017/3/13付
共有
保存
印刷
その他

 「アメリカ入国の際に、自分のデジタルデータをどう守るか」。今、こんな話題がインターネット上で頻繁に見られるようになっている。

アメリカ自由人権協会はサイトで「プライバシーとテクノロジー」を特集
画像の拡大

アメリカ自由人権協会はサイトで「プライバシーとテクノロジー」を特集

 自分のデジタルデータとは、コンピューターやスマートフォン(スマホ)に入っているファイルや情報のことだ。普段ならハッカーにでも侵入されない限り安全だろうと高をくくっているが、トランプ政権になってこれまで以上に入国時に提供が求められるのではと予想されているためだ。

 実際、海外出張から帰国した米国籍の研究者が、入国審査官にスマホのパスワードを差し出すよう要求されたなどの事例が伝えられている。

 トランプ大統領が入国禁止の対象にしたイスラム関連国の出身者に限った話ではない。その他の国からの一般旅行者、そして米国籍の帰国者でも、はっきりしない理由でそうしたことを求められるケースがあるのだ。

 では、実際にデータを守るために何をすればいいのか。指南をまとめてみよう。

 まずは、コンピューターやスマホなどのデバイスのハードディスクを暗号化しておく。たいていは設定機能から可能だ。そして、パスワードも複雑なものにする。

 自分でもパスワードが覚えられないような仕組みを利用しろというアドバイスもある。例えば、とうてい記憶できない複雑で長いパスワードを生成する「パスワード・マネージャー」や、もうひとつのデバイスがなければ照合不能な「2ウェイ・パスワード」だ。

 指紋認識や音声認識機能もオフにしておく。入国審査の際に採られた指紋でスマホがあっさりと開けられる可能性もあるだろう。ともかくできるだけ開けにくくすることが必要なのだ。

 これだけでもかなり手が込んでいるのだが、まだまだ上がある。それは、旅行や出張の際には重要なデータを削除しろというもの。持ち歩くデバイスには最小限必要なデータだけを入れ、残りは家に置いておく。

たきぐち・のりこ 上智大外国語(ドイツ語)卒。雑誌社、米スタンフォード大客員研究員を経てフリージャーナリストに。米シリコンバレー在住。大阪府出身。

たきぐち・のりこ 上智大外国語(ドイツ語)卒。雑誌社、米スタンフォード大客員研究員を経てフリージャーナリストに。米シリコンバレー在住。大阪府出身。

 削除するのが面倒ならば、旅行用には別のデバイスを用意しろというアドバイスも。こちらも最小限のデータだけを入れて出かけ、帰国する前に旅行中のファイルを削除する。ないものは見せられない、というわけだ。

 ソーシャルメディアも忘れてはならない。注意深くデータを守りたい場合は、スマホからソーシャルメディアのアプリを削除しておくことが必要だ。複数のアカウントを使い分けろ、という指南もあった。

 ここまでやらなくてはならないのか。確かに「パラノイア過ぎるかもしれないが」と断っているアドバイスもある。しかし、予測がつかないことが頻発するのがトランプ政権だ。

 弁護士やジャーナリストなど職業上自分のデータを守りたい人もいるだろうし、反トランプ活動や発言などを行ったことを理由に面倒なことに巻き込まれたくなければ、予防しておくことも必要なのだ。

 何も悪いことをしていないのだから、見られても恐れることはない、と考える人々もいるだろう。ただ、米国人には、むやみにプライバシーに侵入されることに敏感な人々も多い。相手が入国審査官でも同じだ。

 ただし、これらの方策は決して万全ではない。というのも、入国審査やデジタルデータでは、不合理な捜査や押収などを禁じる合衆国憲法修正第4条の定義があいまい。抵抗し続けるとデバイスを取り上げられることもあるからだ。

 外国人の場合は入国を拒否される可能性も高い。デバイスを押収された結果、ファイルが削除されることもある。

 だからこそ、これら指南はできるだけ壁を高くする方法を伝授しつつ、「ウソはつかないこと」と注意している。

[日経MJ2017年3月13日付]


「日経MJ」をタブレットやスマートフォンで

 全紙面を画面で閲覧でき、各記事は横書きのテキストでも読めます。記事の検索や保存も可能。直近30日間分の紙面が閲覧可能。電子版の有料会員の方は、月額1000円の追加料金でお読み頂けます。


人気記事をまとめてチェック

「テクノロジー」の週刊メールマガジン無料配信中
「テクノロジー」のツイッターアカウントを開設しました。

先読みウェブワールドをMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

【PR】

先読みウェブワールド 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

「アンドパッド」では工事現場のスケジュール管理もしやすい

IT駆使して時短実現 働き方改革は前向きに

 先日、知り合いの弁護士に会うと「今月は米フロリダに行きます」と言っていた。その少し前はエストニアに電子決済の視察に行っていたという。「そんなに日本を空けて顧問先などの仕事は大丈夫?」と聞くと、「チャ…続き (8/17)

「完全自動決算サマリー」も試験的に始まった(写真は紹介ページ)

自動記事執筆だけじゃない 報道機関にもAIの波

 人工知能(AI)が、囲碁や将棋で高段位者に勝つという話題が当たり前の時代に入った。ビジネスのさまざまな局面に、AIが関与しているといっても奇異に感じる読者はもはや少ないだろう。メディア産業においても…続き (8/10)

「バーチャル・キッチン」では理想のキッチンの雰囲気を再現しやすい

キッチン改築、CAD使い店頭で設計・見積もり楽々

 現在キッチンを改築しようと準備している。キッチン・キャビネット(棚)をいろいろ物色しているのだが、そこで驚いたのは、その場でキッチンをデザインし、価格まで弾き出してくれるソフトを利用している店が米国…続き (8/3)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

TechIn ピックアップ

08月23日(水)

  • 「Microsoft Edge」でもっと快適にブラウジングするための10のヒント
  • 自動車セキュリティ専業ベンダー、IT知見もふまえ「現実解」を提供
  • 不老の秘密は「600人のエストニア人の血」で解き明かせるか―シリコンヴァレーのスタートアップの挑戦

日経産業新聞 ピックアップ2017年8月23日付

2017年8月23日付

・富士フイルム、橋やトンネルのひび割れ、画像で自動診断
・JTがアトピー薬19年発売 たばこ一本足の脱却へ前進
・水ing、自治体向けに省エネし尿処理設備 CO2を2割削減
・ゲスタンプ、熱間プレス、加工速度2.5倍 来年から量産へ
・東急リバブル、リノベ物件の資材一括調達 施工業者の負担軽減…続き

[PR]

関連媒体サイト