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規制改革進め利便性の高い卸売市場に

2017/3/10 2:30
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 政府・与党は農業競争力強化プログラムで卸売市場法を抜本的に見直し、合理的な理由のない規制を廃止する方針を打ち出した。食料流通の変化に合わせ、利用者の視点を重視し、使いやすい卸売市場に変えてもらいたい。

 全国に64ある中央卸売市場や約千の地方卸売市場は、食料が不足していた時代に公平な分配機能を担うために作られた仕組みだ。しかし、現在では卸売市場を通らず、生産者が消費者や小売店へ直接販売する食品も多い。

 トラック輸送網が整備され、インターネットで情報を共有できるようになったことを踏まえれば、東京都内だけで11もある中央卸売市場は過剰だ。政府や自治体は思い切った統廃合を進めるべきだ。

 卸会社の販売先や仲卸の調達先を縛る規制、取引する商品を市場内に運び込まなければならない「商物一致の原則」などは時代に合わない。利便性の向上や合理化、農業改革の妨げとなる規制はすべて見直す必要がある。

 食品の流通コストとなる卸売手数料は2009年に自由化された。だが、水産物で5.5%、野菜が8.5%といった手数料に変化はない。今年に入り、花き卸の最大手が4月の手数料引き下げを決めたのが初めてだ。

 規制改革とともに業界の横並びの体質も改め、市場間、卸会社の間で手数料やサービスの質を競うべきだ。どこの流通経路に出荷するのが有利なのか、生産者が一目で分かるように情報開示の体制も整えてもらいたい。

 中央卸売市場の開設者を自治体に限る卸売市場法の規定も、食料分配の発想を引きずっている。豊洲市場が備える温度管理の設備などは時代の要請だが、これほど巨大な施設が必要だったのかについては卸の間でも疑問の声が多い。

 求められるのは安全で、使いやすく、経費を最小限に抑えた卸売市場だ。

 豊洲市場が抱える安全性の問題も、背景には開設者の東京都が市場の利用者やその先にいる消費者の視点を欠き、安全対策と情報公開をおろそかにしていたことがある。都が開場前から年100億円近い赤字運営を試算する卸売市場は持続可能といえない。

 旧態依然とした発想で市場を運営しているようでは、箱物行政から抜け出せない。地方卸売市場のように民間での開設、運営を考えるときだ。

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