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アジアと世界の安定に資する米中関係を

2017/3/9 2:30
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 トランプ米大統領の台湾問題への発言などで不透明感が漂った米中間の接触が再び活発化している。中国の王毅外相は8日の記者会見で、習近平国家主席とトランプ氏の電話会談に続く、実際の首脳会談へ向けた調整に言及した。近くティラーソン米国務長官による初の訪中も予定されている。

 安倍晋三首相は先に米国でトランプ大統領と会談し、一定の信頼関係を築いた。とはいえ今後の米中関係の行方も、日本やアジア地域の安全保障に大きく影響するという点では重要だ。中国には、中長期的なアジアと世界の安定に資する米国との関係づくりを望みたい。

 問題は山積している。中国による南シナ海での岩礁埋め立てには多くの周辺国が反発している。

 北朝鮮の核・ミサイル開発問題も解決の道が見えない。中国は年内の北朝鮮からの石炭輸入を止めるとしたものの、開発阻止へ向けて持てる影響力の全ては使っていない。それどころか北朝鮮の脅威に備える米軍の地上配備型ミサイル迎撃システム(THAAD)の韓国配備に強く反対している。

 中国人の韓国旅行を制限し、THAAD向けに土地を提供した韓国企業にも圧力を加えている。北朝鮮による金正男氏の殺害事件への態度も曖昧だ。中国は矛先を向ける相手を間違えている。

 中国は5月、欧州やアフリカまで陸路と海路でつなぐ「新シルクロード構想」の実現に向けた首脳会議を北京で開く。この枠組みが米国に対抗するための手段として使われるのなら、世界経済の安定にはつながらない。中国は、日米韓や周辺国との真の融和へ明確にカジを切るべきだ。

 日中関係は5年前の沖縄県尖閣諸島の国有化を機に冷え込んだ。その後、安倍首相と習主席が数度会談し、回復軌道に入るかに見えたが、なお足踏みしている。

 今年は1972年の日中国交正常化から45年という節目の年に当たる。ところが王外相は記者会見で、日中戦争の端緒となった盧溝橋事件から80年である事実にもあえて触れた。「歴史認識問題」を通じて日本国内の動きをけん制するのは、かつて見た風景だ。

 昨年は韓国の政局問題もあって日本での日中韓首脳会談の開催が先送りになった。道はかなり険しいが、今年はまず李克強・中国首相の来日を実現し、その後の日中トップの相互往来を探るべきだ。

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