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友好と交流の絆強めた両陛下

2017/3/8 2:30
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 天皇・皇后両陛下が7日間にわたるベトナムへの親善訪問とタイのプミポン前国王への弔問の旅を終え、帰国された。日本と両国の信頼がより深まったことを、まず喜びたい。

 ベトナムへは初めてのご訪問となった。8世紀以来、日本とは文化や貿易などで長い交流の歴史を持つ国である。

 両陛下は政府や共産党の幹部、国民から異例の歓迎を受けられた。両国の友好の絆が強まっていることが背景のひとつにあろう。ベトナムからは近年、多数の留学生や技能実習生が来日している。日本企業の現地進出も盛んだ。

 今回のご訪問で両陛下は、日本への元留学生や青年海外協力隊員らと会って、ねぎらわれた。さらに、忘れられつつある歴史にも光を当てられた。

 太平洋戦争が終わった後もベトナムに残り、対仏独立戦争に加わった元日本兵は約600人いたとされる。現地の女性と結婚し子供をもうけたが、国際情勢の変化で1954年以降、元日本兵だけが帰国した経緯がある。

 元日本兵の妻や子らの苦難は、太平洋戦争が遠因といえる。両陛下は予定の2倍近い時間をかけ、なぐさめられたという。両国民の多くが戦争のもたらす悲劇と平和の尊さを胸に刻んだはずだ。

 20世紀初頭、ベトナム独立に向けて若者を日本で学ばせた「東遊運動」の指導者の記念館も、両陛下は訪ねられた。両国の過去のさまざまなつながりを多くの人々が知ることで、友好関係は一層深まりを見せることだろう。

 タイでは昨年10月に死去したプミポン前国王を弔問された。両陛下は皇太子夫妻の時代以来、前国王と半世紀をこえる親交があった。日本の皇室とタイ王室の息長く親密な結び付きは、今後も大切にしていかねばならない。

 訪問先での歓迎ぶり。人々との心のこもったふれあい。日本のみならずベトナム、タイの国民も、「象徴」という存在の重みを改めて感じ取ったのではなかろうか。

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