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「机から音楽」IoT家具で未来の部屋を提案

2017/3/8付
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 家具ベンチャーのカマルクホールディングス(シンガポール)は、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を生かした家具をインターネットで販売している。音楽が流れるテーブルや開け閉めを知らせるドアなど、自然なデザインに機能が潜む意外性が魅力。ソフト開発会社を買収して商品数を充実させ「未来の部屋」をぐっと現実に近づける。

部屋の温度・湿度や開け閉めをスマホに知らせるドア。見た目はいたって普通だ
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部屋の温度・湿度や開け閉めをスマホに知らせるドア。見た目はいたって普通だ

 無垢(むく)材を使った高さ約50センチの木製テーブルからお気に入りの音楽が流れ出す。スピーカーの開口部は見当たらず、魔法のテーブルが音を奏でているかのようだ。

 カマルクHDの「サウンドテーブル」は天板に薄型スピーカーを内蔵し、振動によって天板全体から音が出る。スマートフォン(スマホ)と近距離無線通信の「ブルートゥース」でつながり、音楽を再生する仕組みだ。

 専用アプリをダウンロードすると、設定した時間に鳴らして目覚ましにしたり、気象情報に連動して降雨を雨音で知らせたりできる。デザインを家電のアマダナ(東京・渋谷)などで知られる鄭秀和氏が手掛けた。

 スマホやパソコンの充電用に天板の側面にはコンセントやUSBの差し込み口を備える。ベッドサイドに適した小型のタイプとダイニングテーブルで価格は5万8320~10万5840円。2016年秋の発売から約100台を受注した。

 「IoTで2つを1つにする」。カマルクを14年に立ち上げた和田直希最高経営責任者(CEO)は開発の考え方を語る。テーブルとスピーカーをまとめてサウンドテーブルを誕生させたように、棚やドアなど家具をネットにつなげることでインテリアを超えた楽しみを生み出すのが狙いだ。

 3月末には第2弾として、センサーを内蔵した扉「メモリードア」を売り出す。センサーが室内の温度や湿度、明るさや開閉を把握。住人が専用アプリを入れたスマホで確認する。外出先から子供の帰宅やペットがいる部屋の温度を確認したり、離れて暮らす親の生活を見守ったりすることが可能だ。

 湿度と温度から熱中症やインフルエンザのリスクを知らせて、改善を促す機能も付ける。価格は2万7000円ほどからを予定。先行発売したインドネシアでは16年に新築マンションなどに約4千枚を販売した。エアコンや加湿器といった家電と連携させ、自動で快適な気温や湿度を保つなど順次機能を追加していく考えだ。

 IoT家具の本格展開に向けて開発陣も増強する。月内にソフト開発ベンチャーのコムツァイト(鹿児島県鹿屋市)の全株式を取得する。同社は焼酎メーカー向けの温度管理システムや、住宅にセンサーをつけて高齢者を見守るシステムなどを開発した実績がある。

 社名は既に「カマルク特定技術研究所」に変更した。岩倉路和社長は「今あるアイデアはほとんど実現できる」と商品化に意欲をみせる。

 カマルクの家具は日本企業のOEM(相手先ブランドによる生産)を手がけるインドネシアの工場で受注生産し、日本以外のアジアの国・地域でも販売。納期は1週間~1カ月で、サウンドテーブルと組み合わせられるベンチや椅子もある。同社ホームページに加え、アマゾンでも販売を始めた。商品数が増えればカマルクで一式部屋をそろえることもできそうだ。

 「家の中をオンライン化すれば世界が一気に広がる」(和田CEO)。IoT家具は生活をどう面白くするか。新商品のアイデアが注目される。(小川知世)

[日経MJ2017年3月8日付]

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