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経済左右する習主席の責任

2017/3/6 2:30
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 5日開幕した中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で李克強首相は今年の実質経済成長の目標を6.5%前後とした。目標下げは3年連続だ。無理な高成長を追わず、中長期の安定を重視する現実的な姿勢は評価したい。

 中国は2020年までに経済規模、所得水準を10年比で倍増する目標を掲げる。道は険しい。構造改革を進めつつ、景気の急減速は避け、雇用も確保するには周到な目配りが要る。中国の外貨準備の急減など資金流出対策も急務だ。

 重点の「供給側改革」には疑問が多い。16年の粗鋼生産能力の削減は目標の4500万トンを上回る6500万トンに達したという。だが世界鉄鋼協会まとめでは中国の同年生産量は前年を上回った。中国が示した能力削減はもともと、停止中の老朽設備を数えた数合わせにすぎないとの指摘がある。

 中国は全人代の予算案報告で17年国防予算の実数を公表しなかった。世界が関心を寄せる数字を省いた理由は不明で、閉鎖的である。先の記者会見では前年実績比7%前後の伸びと明かしており、初の1兆元(16兆5000億円)突破は確実だ。これは日本の防衛関係予算の3倍を超す。

 そもそも中国の国防費の中身は不透明だ。研究開発費などを含めれば公表規模を大幅に上回るとの見方も多い。米トランプ政権は国防費約1割増の方針を示している。アジア・太平洋地域で米中の軍拡競争が激化すれば、日本の安全保障にも大きく影響する。

 中国は年後半、最高指導部が入れ替わる5年に1度の共産党大会を控えている。これに先立ち習近平国家主席は共産党の別格の指導者を指す「核心」の地位を手にした。今回の全人代では李首相も「習近平核心」を明確にしている。

 集権の結果、重要な経済政策づくりの主導権も習氏に移りつつある。新任の主要経済閣僚は習氏に近い人物が目立つ。経済規模で世界2位の中国の行方は、アジアばかりではなく世界経済を左右する。習氏の責任は極めて重い。

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