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自民総裁3選を狙う首相は何をすべきか

2017/3/6 2:30
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 自民党が5日に党大会を開き、安倍晋三首相の総裁3選を可能とする党則改正を決めた。安倍政権の下で雇用や企業収益は改善したが、景気の足取りはなお力強さを欠いている。首相がさらに長期政権を目指すのであれば、成長力底上げや財政健全化といった中長期的な課題への取り組みをもう一段加速していく必要がある。

 首相はあいさつで「長引く不況で失われた国民総所得50兆円を昨年とうとう私たちは取り戻すことができた」と力説した。雇用や賃上げ、首脳外交の実績を列挙する姿は自信にあふれ、会場は多くの参加者で熱気に包まれた。

 自民党は2012年末の政権復帰から国政選挙で4連勝し、内閣支持率は約6割と高い。二階俊博幹事長は党務報告で昨年末時点の党員数が8年ぶりに100万人を回復したと胸を張った。首相が来年に総裁3選を果たせば、次の任期は21年秋までとなる。

 首相は肝煎りの安全保障関連法などを成立させ、政界は「安倍1強」が際立っている。ただ日本を取り巻く状況は順風満帆とは言いがたい。足元の景気は底堅さも一部に見えるが、個人消費などは伸びを欠いたままだ。

 安倍政権は消費税率の10%への引き上げを2度にわたって延期した。財政均衡と社会保障制度の改革という難題に正面から取り組まなければ、国民の根強い将来不安は解消できない。規制改革や働き方の見直しなどを通じて生産性を向上し、日本の潜在成長力を引き上げていく必要がある。

 首相はあいさつで「憲法改正の発議に向けて具体的な議論をリードしていく。それこそが自民党の歴史的使命ではないか」とも強調した。憲法のあり方は重要なテーマだが、野党との丁寧な議論の積み重ねが有権者の理解の前提となることを忘れてはならない。

 今国会では南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)の日報問題やテロ等準備罪(共謀罪)の新設などを巡り、閣僚が追及を受ける場面が目立つ。大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に評価額より大幅に安く売却された問題も波紋を広げている。

 自民党は短命内閣の負の連鎖を断ち切り、安定した政治を回復した。だが長期政権の緩みやおごりが目立つようだと有権者の信頼は一気に揺らぐ。与えられた力を何に使うのか。その選択と結果が厳しく問われる時期に入っている。

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