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質の高いアジアの経済連携を主導せよ

2017/3/5 2:30
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 アジア太平洋地域に広大な自由貿易圏をつくり、世界の成長センターとして繁栄する。日本を含むアジアの各国・地域はその目標を忘れずに、着実に経済連携を進めねばならない。

 日中韓豪、ニュージーランド、インドに東南アジア諸国連合(ASEAN)を加えた計16カ国が経済連携協定(EPA)を結ぶ構想がある。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)だ。

 16カ国は3日まで神戸市で交渉会合を開いた。日本政府関係者は「着実な進展があった」と述べたものの、新たに合意した分野はなかった。

 2013年から始まった交渉はこれまでのところ順調に進んできたとはいえない。交渉を事務レベルに委ねるだけでなく必要に応じて閣僚会合を開き、政治が交渉を後押しすべきではないか。

 環太平洋経済連携協定(TPP)は日米が主導した。これに対しRCEPは、中国やインドのほかミャンマーなど後発の途上国も加わっているのが特徴だ。

 複雑な利害をこえて妥協点を見いだす難しさは理解できる。しかし、米国の離脱によりTPP発効の道筋が見えなくなったなか、将来のFTAAP(アジア太平洋自由貿易圏)へのもう一つの足がかりとなるRCEPを漂流させてはならない。

 TPPの国内手続きを終えた日本こそ、RCEPの交渉を主導すべきだ。RCEPで大事なのは、TPPが実現しようとしていた質の高い貿易・投資ルールに少しでも近づけることだ。

 国の経済発展の度合いに応じて一部で例外を認めるのはやむを得ないとしても、知的財産やサービス貿易などの分野でTPPの成果を反映させることは可能だ。

 できる限り関税を削減・撤廃する点も重要だ。アジア全域に供給網を広げる日本企業が使いにくい経済連携にしてはならない。日本は貿易・投資の自由化の意義を粘り強く中印に説いてほしい。

 トランプ米政権は多国間から2国間の通商協定にカジを切る構えだ。米国が参加しておらず中国が参加しているRCEPをどう受けとめているかは、判然としない。

 それでも日本がRCEPを前進させれば米国が圧力を感じ、長い目でみて米国がTPPへの復帰を検討するきっかけにできるかもしれない。RCEPを軽視してはならない。

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