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採用ミスマッチ解消へ丁寧な企業説明を

2017/3/4 2:30
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 就職活動が早くから始まる実態は相変わらずだ。経団連加盟企業による来春の大卒者向け採用説明会が解禁されたが、事実上の会社説明会を解禁前からインターンシップ(就業体験)のなかで実施している企業は少なくない。

 採用活動の早期化で、企業の仕事内容を理解する時間が十分確保できないまま就活を進める学生も多い。入社しても早く辞めてしまう人の増加の一因にもなっていよう。企業は学生に、具体的な日常業務などを含め、自社について丁寧に説明すべきだ。

 経団連は昨年から、3月の説明会解禁はそのままにして、面接など選考試験の開始を8月から6月に前倒しした。これも学生が企業や業界の研究に十分な時間をとりにくくなった原因だ。

 人材サービス大手リクルートキャリアの調査によると、企業が100人に内定を出した場合に辞退した学生の数は、2015年の卒業者で38人だったが17年卒では43.9人に増えている。企業の業務内容への理解が不十分だったことも背景にあるだろう。

 厚生労働省によれば大学新卒者で卒業後3年以内に離職した人の割合は、13年の卒業者で31.9%あった。30%を超えるのは4年連続だ。「採用のミスマッチ」は企業にとっても損失になる。放置はできない。

 仕事内容はもちろん、自社の特色や社風なども含め、企業は学生と十分なコミュニケーションをとる必要がある。効果が見込める手立てのひとつは、新卒者の採用を4年生の秋や冬にも選考する通年型とし、学生に企業研究などの時間を確保しやすくすることだ。

 インターンシップの期間をいま主流になっている1日~数日程度から、もっと長期にすることも考えられる。欧米では1カ月を超える場合が珍しくない。

 職種別採用や事業部門ごとの採用も、学生が自分が働く職場の姿を描きやすくなり、会社への理解が進むだろう。

 何より大事なのは経営者が明確な企業戦略を持ち、どんな会社になろうとしているか、学生と接する幹部や社員が語れることだ。

 ある時期に横並びで採用活動をする「新卒一括」方式が定着してきたため、企業は学生とのコミュニケーションをとる力が磨かれなかった面があろう。学生との意思疎通を重視し、双方が納得のいく採用を進めてほしい。

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