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低コストの無電柱化を探れ

2017/2/22 2:30
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 電線などを地中に埋めて電柱をなくす無電柱化を進めようという機運が高まっている。カギを握るのは埋設費用の削減だ。

 昨年末に無電柱化推進法が施行され、政府は具体的な目標を盛り込んだ計画を策定する準備に入った。自治体でも茨城県つくば市が中心市街地などで新たな電柱の設置を規制する条例を制定し、東京都も都道での新設を禁じる条例をつくる方針だ。

 現在、日本には3500万本を超す電柱があり、宅地開発などに伴って今も増えている。無電柱化の割合をみると、最も進んでいる東京23区ですら7%にすぎない。

 海外ではロンドンやパリ、香港が100%、シンガポールや台北なども9割を超している。日本が遅れているのは一目瞭然だ。

 東日本大震災で大量の電柱が倒れて復旧の障害になったように、無電柱化が進めば街の防災性はかなり高まるだろう。日々の生活を考えても、電柱がなければ歩行者や車いすが通行しやすくなるし、街の景観も向上する。

 現在、各地に電柱が林立している最大の理由はコストにある。地下深くに共同溝を設けて電線や通信ケーブルを通す現行方式では、官民合わせた費用は1キロメートル当たり5億3千万円程度かかる。電柱を設置する場合の10倍以上だ。

 一方で、ロンドンやパリで一般的な電線などを直接埋める方式ならば、電気・通信設備などを除いた工事費だけでも共同溝方式の4分の1以下になる。道路の脇の小型の側溝などに電線を通す方式も費用を抑えられる。国はこうした新方式の実証試験を進めている。

 首都直下地震などを考えれば無電柱化を急ぐべきだが、予算も限られている。まずは、主要道での新設を原則禁止すると同時に、市街地再開発などに併せて地中化を進めるのが現実的だろう。

 生活道路などの電柱は安全で低コストの技術が確立した段階で、本格的に撤去すればいい。国や自治体はしっかりとした計画をつくって着実に取り組んでほしい。

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