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企業は最高益に安住せずさらに強さ磨け

2017/2/19 2:30
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 日本企業が効率よく利益を上げる体制を整えつつある。強みを持つ事業や製品に経営資源を集中させることにより、売り上げが伸び悩んだり、環境が急に変わったりした場合に備える動きだ。企業はこの流れを途切れさせることなく、事業基盤をさらに強固なものとしなければならない。

 本紙集計によれば上場企業の2017年3月期は売上高が3%減る一方、純利益は11%増えて2期ぶりに過去最高となる見通しだ。減収増益の決算が示すものは、ここ数年で日本企業が進めた事業再編や合理化の効果だ。

 日立製作所は物流や金融といった本業と関係の薄い事業を切り離すことにより、収益力の向上をはかってきた。その結果、今期は売上高が10%減りそうだが、経営の効率化が寄与し純利益は16%増えると見込んでいる。

 日立は非中核と位置づけた黒字の子会社、日立工機の売却も決め、インフラ事業などに集中する方針を改めて示した。得意分野をさらに強くする姿勢は他の日本企業の刺激ともなり、業種を越えて広がっている。

 たとえば不採算品を減らしてきた三井化学は今期、1割の減収だが10期ぶりの最高益となる見通しだ。機能性肌着の販売に力を入れたグンゼは2%の微減収にもかかわらず、最終損益が黒字に転換するという。

 世界経済の不透明感がいまひとつ晴れないため、景気が多少回復しても必要以上には規模の拡大は追わない。減収増益の決算の背景には、こんな経営判断もはたらいているのだろう。なんといっても心配なのは、自国優先の姿勢を崩そうとしないトランプ米大統領の経済政策だ。

 輸出企業の税負担を軽くする一方、輸入企業への課税を重くする措置が米国で導入された場合、日本の自動車メーカーが打撃を受けるのは避けられそうにない。トヨタ自動車などの16年4~12月期決算は、収益の北米依存が浮き彫りになった。

 英国が欧州連合(EU)からの離脱を通告する時期も近づきつつある。欧州全域での生産・販売体制を再検討する必要に迫られている企業も多い。

 米欧の経済と政治に懸念がくすぶるなか、企業の最善策は環境に左右されにくい収益構造を築くことだ。自らの強みを見きわめ、磨きをかける必要がある。

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