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危機打開へ東芝は大胆な再建策を示せ

2017/2/15 2:30
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 東芝が迷走を重ねている。14日に正式発表する予定だった2016年4~12月期連結決算は監査法人や弁護士との協議がととのわず、東芝の責任において業績数値を公表した。公表資料に「独立監査人によるレビュー手続き中であり、(数字が)大きく修正される可能性があります」と注記をつける、異例の展開である。

 それによると、米国の原子力発電所建設プロジェクトの費用が大幅に膨らみ、7125億円の巨額の損失が発生した。その結果、同社は昨年12月末時点で1900億円強の実質的な債務超過に転落した。そこで半導体事業の一部売却などの資本対策を実施する。

 会計不祥事に端を発した東芝の一連のトラブルが浮き彫りにしたのは、「内部統制の不在」とも呼ぶべき、お粗末な組織運営の実態だ。同社の経営陣に果たして当事者能力があるのか、疑問視する声もある。

 最大の問題は巨額損失の原因をつくった米原子力発電子会社のウエスチングハウス(WH)だ。同社の経営の動きを、東京の本社がしっかり把握・制御できていたのか、相当に疑わしい。

 今回の決算発表の混乱についても、WH経営陣による「不適切なプレッシャー」があったとの指摘があり、さらなる調査が必要になったという。誰に対するどんな圧力なのか普通の人にも分かる言葉で説明してほしい。

 東芝の経営環境はさらに厳しくなるだろう。今必要なのは原子力以外の事業も含めた負の遺産の洗い出しと、しがらみやタブーにとらわれない思い切った再建策だ。

 同社は既に半導体事業への一部外部資本の受け入れや、リスクの大きい原発建設ビジネスからの撤退方針を打ち出しているが、この程度の対策で危機から脱却できるのかどうか。

 事業の切り売りで今年3月末の債務超過を回避できたとしても、それが一時しのぎで終わっては意味がない。経営危機が長引けば長引くほど優秀な人材が会社を辞めるなどして事業基盤が劣化し、真の再生は遠ざかるからだ。

 財界首脳を輩出した東芝は日本を代表する企業だが、重大局面を迎えた。総合電機の看板に固執している場合ではない。綱川智社長も記者会見で選択肢として言及したが、半導体事業を完全に手放すといった、会社の形を変えるぐらいの大胆な策が必要ではないか。

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