トップ > 社説・春秋 > 記事

株主との対話促す会社法に

2017/2/11 2:30
保存
印刷
その他

 法制審議会(法相の諮問機関)で会社法改正の議論が始まる。株主が株主総会に議案を提案する権利を乱用しないようにするための措置などが検討の柱だ。

 株主提案権は少数株主の声を経営に反映させる重要な手段だ。中身が細かすぎたり真意がはっきりしなかったりする提案をある程度制限するのは仕方ないとしても、建設的な意見が封じ込まれるようなことがあってはならない。株主と企業の充実した議論を促すための会社法改正を望む。

 日本企業が特に対応に苦慮しているのは、真意をつかみかねる提案だ。過去には野村ホールディングスの総会で「トイレをすべて和式にする」「取締役の呼称を『クリスタル役』とする」などの提案が出されたことがある。総会に出席した他の株主を戸惑わせ、真剣な議論の意欲をそぎかねない内容といえるだろう。

 常識に照らして非生産的な提案を減らすために、株主提案に必要な議決権の保有比率を引き上げたり提案数を限ったりすることは、検討に値する。海外の例にも目を配り、国際的に違和感のないルールとすることが重要だ。

 日本の場合、総株主の議決権の1%以上、または300個以上の議決権を6カ月以上前から持つ株主に、権利行使が認められる。提案の数に制限はない。これに対して米国は1人につき1提案で、取締役の選解任や配当額などの提案を認めていない。

 もちろん、株主提案権の乱用防止とともに、企業や投資家の利益につながる提案まで出せなくなることがないよう、十分に注意したい。投資家をまじえた丁寧な検討が必要だ。

 法制審では、企業がネットを通じて総会の招集通知資料を提供しやすくする制度改正も話し合われる。また、社外取締役の選任を会社法で義務づけるべきかどうかも検討の対象となる。株主と企業が建設的な関係を築くためにはどうしたらよいか。それが多岐にわたる議論の出発点だ。

社説をMyニュースでまとめ読み
フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

保存
印刷
その他

電子版トップ

企業・業界をもっと詳しく

企業がわかる、業界がみえる。非上場企業を含む4200社、67業界のニュースとデータを網羅

【PR】

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報