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福島第1の険しいデブリ除去

2017/2/9 2:30
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 東京電力福島第1原子力発電所の原子炉内の様子が少しずつわかってきた。東電は2号機で、溶け落ちた核燃料(デブリ)らしきものを初めて撮影した。廃炉へ向けた重要な一歩だが、大きな損傷も映っており、今後の作業の険しさを予感させる。

 原発構内は除染が進み、大型休憩所や新しい事務本館ができて作業環境が改善した。1、3号機建屋プール内の使用済み核燃料の取り出し準備も始まっている。

 しかし、デブリに関してはどこにどんな状態で、どれだけあるのかわからず、取り出し法も決まっていない。手掛かりとなる画像を得るだけで約6年を要した。

 デブリは核燃料や金属部品が混ざり、高い放射線量をもたらすとみられる。取り出しは廃炉作業の最大の難関とされる。

 2号機の画像では、デブリの可能性がある堆積物のほかに1メートル四方の穴も確認できた。カメラを通した通路には推定で毎時530シーベルトと、人間が浴びれば1分足らずで死ぬ放射線量の場所があった。

 撮影には7時間ほどかけ、安全に配慮してのべ63人が短時間ずつ交代してカメラを入れた。これだけでも大変な作業だ。

 近く、カメラが2台付いたサソリ型ロボットを投入してさらに詳しく調べるが、堆積物や穴、高い放射線量などが障害となり作業が遅れる可能性がある。

 デブリは原子炉の圧力容器を突き破り、格納容器に達してコンクリートなどと反応した可能性がある。世界を見渡しても経験したことのない現象で、常に予想外の事態を覚悟しておく必要がある。

 政府と東電の工程表(ロードマップ)によると、今夏にもデブリの取り出し法を決め2021年に除去を始める。デブリの広がりや原子炉内の損傷によっては計画の軌道修正も迫られるだろう。

 ロードマップは実態に即して柔軟に見直していくべきだ。海外の技術やノウハウも積極的に活用したい。安全第一に、焦らず着実に作業を前進させてほしい。

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