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クロマグロ漁の違反なくせ

2017/2/8 2:30
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 太平洋にすむクロマグロが乱獲で激減し、国際自然保護連合は2014年に絶滅危惧種に指定した。しかし、国内では資源回復のための規定を守らない漁獲が相次いでいる。是正を急がなければ、より厳しい国際規制を強いられることになる。

 日本近海を含む中西部太平洋域でマグロ類の水産資源を管理する国際委員会(WCPFC)は14年に、体重30キログラムに満たない未成魚の漁獲量を02~04年平均の半分以下に抑え、親魚の漁獲も平均を超えないルールを決めた。

 日本も加盟するWCPFCの決定に基づき、政府は沿岸のクロマグロ漁を承認制とし、地域や漁法ごとに漁獲上限を設けてとりすぎを防止している。

 しかし、農林水産省の調べでは、長崎や三重、静岡県など合わせて9県で承認のない漁業者がクロマグロをとったり、とったクロマグロを報告しなかったりする違反が見つかった。

 国際会合では、もっと厳しい漁獲規制を導入すべきだとの声が欧米を中心に強まっている。日本の違反発覚でこうした規制強化論が勢いづくのは必至だ。漁業者は、資源管理を徹底しないと資源の減少や厳格な規制となって跳ね返ってくることを自覚すべきだ。

 国際的に、密漁や所定の報告をしない漁業は水産資源を脅かす要因とされる。国連食糧農業機関(FAO)はこうした漁業の防止や抑制、廃絶のための国際行動計画を策定。欧州連合(EU)は悪質な漁業による水産製品を域内に流通させない政策を施行した。

 東京五輪・パラリンピックの選手村に日本がどのような農水産物を食材として提供するのか、世界の注目度は増す。天然の水産物で問われるのは計画的な資源管理が行われ、生態系の保全に配慮された漁業であることだ。

 クロマグロ漁の違反をなくすのは当然であり、違反には厳しい処分を科すべきだ。管理の甘いウナギの稚魚などを含め、水産物流通の透明性を高める対策も急務だ。

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