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企業は海外買収の効果引き出す方策を

2016/10/13 3:30
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 日本企業が海外でのM&A(合併・買収)に積極的に動いている。調査会社トムソン・ロイターによれば、2016年4~9月期の日本勢の海外買収額は5.2兆円とリーマン・ショック直前の08年4~9月期を上回り、上半期として過去最高となった。

 国内市場の縮小という問題に直面する日本企業にとって、海外M&Aはグローバルな成長戦略の柱となった観がある。今後は買収効果を引き出すために、相手先の事業を育てたり経営の融合を進めたりすることも重視すべきだ。

 日本企業の海外M&Aは大型化の傾向にある。好業績で財務基盤が強くなっていることに加え、これまでの買収で得た経験をもとに思い切った手を打つ企業が増えつつあるからだ。

 代表例の一つは積極的なM&A戦略で知られる日本電産だ。8月には米電機大手エマソン・エレクトリックから産業用モーター事業などを買い取ることを決めた。買収額は同社として最高の12億ドル(1200億円強)だが、エマソンのブランド力や顧客基盤の強さを生かすことができれば採算にあうと見ているようだ。

 ただ、大型買収は高値づかみのリスクを伴う。買収後の事業のテコ入れが重要だ。

 コマツが29億ドル(約3000億円)で買収する米鉱山機械大手ジョイ・グローバルは、資源安による需要の低迷で直近の決算は赤字だった。機械部品の共同調達などを通じてコストを下げ黒字転換を急ぐことが、M&Aの成果を高めるうえで欠かせない。

 10月初旬にSOMPOホールディングス傘下の損害保険ジャパン日本興亜が米保険大手の買収を発表するなど、日本企業の海外M&Aへの積極的な姿勢は持続している。損保ジャパンは事業強化の手立てとして、買収先と共同で海外に事業統括会社を設立することを検討するという。

 企業は今後、買収の相乗効果を具体的に示すなど情報開示の重要性も増してくる。

 M&Aは高額になるほど被買収企業の純資産との差額である「のれん」が膨らむ。買収した事業が振るわないと「のれん」の評価を切り下げ、損失の計上を迫られる場合がある。株主は買収事業の採算に敏感にならざるをえない。企業は次のM&Aを進めやすくするためにも、経営の透明性を高めることが不可欠だ。

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