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JR発足30年で浮上した地方鉄道の課題

2016/10/12 3:30
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 1987年4月に旧国鉄が分割民営化され、JR各社が発足して今年度は30年目である。その節目で大きな課題として浮上してきたのが地方ローカル線の問題だ。人口減少時代の地域交通のあり方を、地域社会と鉄道会社がいっしょになって考える時だ。

 巨額の赤字に苦しんだ旧国鉄は分割民営化でよみがえった。JR東日本など本州3社は高収益企業に変身し、株式上場を実現した。それに続いて今月25日にはJR九州も株式を上場する。

 発足当初は存続も危ぶまれた同社が上場までこぎ着けたのは、分割民営化による自主経営の成果にほかならない。駅ビル開発やマンション事業など非鉄道ビジネスに力を入れ、新たな収益源に育て上げた。分割を機に、地域密着型の経営が実現したのも見逃せない。九州各地の観光地を巡る観光列車「ななつ星」はその象徴だ。

 同社の軌跡は各地の公営鉄道にとっても、経営活性化のための参考事例になるだろう。

 ただ、分割民営化で鉄道の問題がすべて解決したわけではない。最も差し迫っているのは、人口減少や車との競争で今も乗客が減り続けるローカル線の問題だ。

 特に寒冷地に長い路線網を抱えるJR北海道の経営環境は厳しい。「自社単独では維持することが困難な路線」の具体名を近く公表し、善後策について地元と協議に入る。JR四国も同様に厳しい。

 鉄道輸送の特徴は一度に大人数を運ぶことができる半面、専用の軌道や鉄橋が必要で固定費が高いことだ。そのため乗客の少ない路線は採算が取れず、それが旧国鉄の大赤字の原因にもなった。

 単に収益の問題にとどまらない。今のままでは線路やトンネルなどの保守管理投資さえ十分にできず、輸送サービスの基本である安全が揺らぐ恐れさえある。

 人口が希薄な地域では、鉄道よりもバスや路面電車、あるいは自家用車を使ったいわゆる「ライドシェア」サービスのほうが経済合理性にかなう場合が多い。バス化で運行頻度を高めることで、乗客の利便が高まる可能性もある。

 むろん鉄道への地域の思いは無視できない。JR西日本は先月、広島と島根を結ぶ三江線の廃止を決めたが、そこに至るまで5年をかけて地元を丁寧に説得した。地域交通の将来像をどう描くか。地域社会とJRをはじめとする鉄道会社の意思疎通が不可欠だ。

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