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難民問題への取り組みが問われている

2016/9/25 3:30
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 シリアなどの紛争地域から逃れた難民や、経済的理由から国境を越えてくる移民に国際社会はどう対処すべきか。各国首脳が集う国連総会を機にニューヨークで開いた国際会議は、問題の根深さを改めて示した。

 内戦などが原因の難民や避難民は世界で6500万人にのぼり、難民が滞在する国の負担も増している。支援強化は喫緊の課題だ。

 国連の難民・移民サミットには多数の首脳や閣僚が参加し、国際社会として難民や移民の問題に対応する決意を表明した。国連総会がこの問題で初めてサミットを開き、国際社会の取り組みを申し合わせたことは評価できる。

 オバマ米大統領の主催で開いた別の難民サミットは、参加国が難民支援の拠出金を上積みするとともに、各国が受け入れる難民数を計36万人超にほぼ倍増することを打ち出した。

 個別の国レベルではなかなか進まない難民支援について、国際的な場で負担を約束し合うことの意義は大きく、歓迎したい。

 しかし、資金による解決には限界があるし、難民の受け入れ拡大も全体からみると多いとはいえない。一連の会議も力不足といわざるをえない。

 難民や不本意な移民をなくすには、原因となる紛争や貧困の問題への取り組みが欠かせない。人道面の支援強化と同時に、内戦の終結に向けた外交努力など、状況を抜本的に改善させるための国際協力を加速させる必要がある。

 日本の貢献姿勢も問われる。会議には安倍晋三首相が出席し、人道援助や難民受け入れ国への支援などで28億ドル(約2800億円)規模の資金を拠出することや、紛争の影響を受けた難民らへの教育支援や職業訓練実施を表明した。5年間で最大150人のシリア人留学生の受け入れも約束した。

 だが、日本の難民受け入れ数はきわめて少ないのが実態だ。難民認定の申請者数は昨年7500人を超えたが、難民と認定された人はわずか27人だった。法務省によると、今年1~6月の認定者数は4人にとどまる。

 シリア難民の留学生受け入れは前向きな一歩ではあるが、人数が限られる。このまま日本は、お金は出すが難民受け入れに消極的な国という印象を与え続けるのか。それとも、もっと受け入れる方針に転じるのか。早急に議論を深めるべきだろう。

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