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手段選ばぬテロ防止へ連携を

2016/7/16 3:30
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 フランスのニースで花火大会の観客に大型トラックが突っ込み、80人を超える死者を出した。オランド大統領は「テロの可能性を排除できない」と表明した。手段を選ばぬ襲撃に強い怒りを覚える。

 惨劇が起きた場所はニースの海岸沿いの広い遊歩道で、観光名所として有名だ。人でごった返す中をトラックがスピードを上げて走り抜け、無差別の殺傷を繰り広げるのは想像を絶する。

 昨年11月にはパリで多数の死者を出す同時多発テロが起き、仏政府は非常事態宣言を出した。それが解除されないまま最高度の警戒が続くなかで事件が再発し、テロ防止の難しさがあらためて浮き彫りになった。

 乗用車やトラックで歩行者らをはねて無差別に殺傷する事件は、日本でも過去に起きている。走っている車を一台一台監視するのは不可能で、銃器や爆発物のような規制もできない。模倣犯の封じ込めが課題になる。

 フランスのテロは、独特の移民政策も背景にあると言われる。フランス語や文化を受け入れフランス人になりきるよう求める「同化」政策をとるが、現実には学業や就職での差別が残っている。

 移民の不満はマグマのように鬱積し、何らかの刺激を受ければ噴き出して事件や暴動につながりやすいという。過激派組織「イスラム国」(IS)への感化などがこうした刺激になるだろう。

 南仏の観光地は明るく安全と思いがちだが、治安がよい場所ばかりではない。移民も多く、別荘や高級ホテルに滞在する富裕層と相いれない面もある。どこへ行くにもテロのリスクが伴うことを一人ひとりが認識する必要がある。

 ベルギーやバングラデシュなど各国で相次ぐテロも事情は少しずつ異なるものの、移民政策や貧富の差が絡むとされる。しかし、移民排除などの動きはかえって対立を深刻化させる。テロの根底にある問題を見つめ直し、時間をかけてでも世界が連携して解決策を探っていくしかない。

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