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混乱の収拾へ政治の責任が問われている(英EU離脱)

2016/6/29 3:30
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 国民投票で欧州連合(EU)からの離脱を決めた英国で、混乱が広がっている。辞意を表明したキャメロン首相の後継選びをめぐり与党の保守党で対立が激しくなる一方、最大野党の労働党はコービン党首への辞任圧力が増している。国民投票のやり直しを求める世論も高まってきた。

 国内に混乱を抱えたままでは、英国がEUとの離脱交渉を始めるメドは立ちにくい。事業環境の不透明さから企業が投資を手控えるなど、世界的に経済活動への悪影響が広がりかねない。国民投票を実施した国の責任として、英国は混乱を鎮めるべきだ。

 保守党は9月2日までにキャメロン首相の後継を選ぶ方針で、週内に党首選への立候補を募る。後継が有力視されるのが離脱運動を率いたジョンソン前ロンドン市長だが、感情的な反発もある。党内でEU残留を支持した議員は対抗馬をかつぎ、同氏の党首就任を阻止する構えをみせる。

 国民投票で離脱の結論を出した英国に求められるものは、EUとの交渉にどう臨むかという現実的な戦略や、離脱後にどんな社会をつくるかという構想だ。

 離脱・残留の立場を超え、対EU交渉や経済運営に関する具体論を明確に示し議論すべきだ。それを通じて、党内に生じた深刻な亀裂を修復する必要がある。

 労働党では残留運動に熱心でなかったとされるコービン党首への反発から、「影の閣僚」が相次ぎ辞任を表明している。

 二大政党制が支えてきた英国で、党首の人選や去就をめぐり保守党と労働党が同時に混乱するのは、近年になく深刻な事態だ。英国の行く末を世界中が懸念していることを自覚し、与野党ともに立て直しを急ぐ必要がある。

 国民投票そのものについて、再度の実施を求める署名が記録的な数に達している。また投票結果の扱われ方が明確ではなく、議会が必ずしも受け入れる必要はないとの声も聞かれる。そうした混迷もEU離脱の先行きを見通しにくくしている。

 政治のリーダーシップを確立し、離脱交渉に関する具体的な方針を明らかにする。さしあたり英政府に求められるものは、これだ。多くの企業が英国に進出している日本の政府も、事態の早期収拾を促していくべきだ。

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