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インドは高成長の持続へ改革加速を

2016/6/4 3:30
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 世界経済の足取りがおぼつかないなか、インド経済が好調だ。発足から3年目に入ったモディ政権にとっては追い風で、持続的な成長に向けた基盤整備と改革の加速につなげる必要がある。

 2015年度(15年4月~16年3月)の国内総生産(GDP)は前年度比実質で7.6%増えた。14年度の7.2%を上回り、中国よりも高い成長率となった。

 BRICSと総称される有力新興国の先頭を走り、先ごろ来日したジャイトリー財務相が「中国に代わってアジアをけん引する」と自負したのもうなずけよう。ただ、好調の背景に目をこらすと懸念材料も浮かび上がる。

 高成長の原動力のひとつは原油などの国際相場の低迷だ。インドは資源輸入国なので資源安は物価の安定と経常収支の改善につながり、消費を押し上げ金融緩和に有利な環境ももたらしている。

 輸出の対中依存度が低く中国の景気減速の影響が小さいことも、相対的に好調な一因だ。

 逆からみれば、自律的な成長の勢いは必ずしも力強くない。モディ首相が公約とした大胆な改革への期待もあって海外からの直接投資は回復してきたが、国内の企業の投資が伸び悩んでいる。

 背景には銀行の不良債権の増加がある。企業の破綻処理を円滑にする「破産・倒産法」の成立など不良債権の圧縮を促す取り組みには前進もみられるが、実効性を高めるには一層の改革が必要だ。

 州ごとに違う間接税の税率を一本化する物品・サービス税(GST)の導入が遅れていることでは、産業界で待望論が強かっただけに失望の声が上がっている。

 与党連合が少数派にとどまる上院を通過できないためで、首相は上院での多数派工作に力を注がなくてはならない。工場用地などの収用を容易にする政令改正や複雑な労働法の改正の停滞も、政権への期待をしぼませかねない。

 モディ首相にとって幸いなことに、2年前の総選挙で与党が大勝する一因となった個人的な人気はなお健在だ。改めて改革のねじを巻くときだろう。

 日本にとってインドは最大の円借款供与国で、昨年12月に安倍晋三首相が訪印した際にはムンバイ―アーメダバード間の高速鉄道に日本の新幹線方式の採用が決まった。インドの持続的な成長を促し日本の成長戦略にも役立つ日印関係へ、協力をさらに深めたい。

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