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米、日本の為替政策を「監視」 円売り介入けん制
財務省報告書

2016/4/30 15:30
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 【ワシントン=河浪武史】米財務省は29日、貿易相手国の通貨政策を分析した半期為替報告書で、対米貿易黒字が大きい日本や中国、ドイツなど5カ国・地域を「監視リスト」に指定した。米当局は相手国が大規模な為替介入などを続ければ、対抗措置がとれるとしている。年明け以降の円高・ドル安については「市場は秩序的だ」とし、日本が円売り介入に動くことを改めてけん制した。

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 米財務省が為替報告書の中で「監視リスト」を設けるのは初めて。不当な通貨安誘導には「為替操作国」と認定して制裁を発動する仕組みがあるが、1990年代後半以降は適用例がない。今回から「監視リスト」を設け、是正措置の対象となる手前の段階で相手国の為替政策をけん制できるようにした。

 「監視リスト」には日中独のほか韓国、台湾の5カ国・地域を指定した。日中独韓の4カ国は貿易収支や経常収支の対米黒字が巨額で、台湾は為替介入の規模が大きいと指摘した。

 日本について報告書では「最近の円ドル相場は秩序的だ」と指摘。国際的に為替介入が容認される「無秩序な動き」にはあたらないとの見方をにじませた。4月中旬にルー財務長官が記者会見で同じ見解を表明しており、改めて円売り介入に警戒感を示した。ただ日銀が追加緩和を見送った28日以降、円高が再加速しており、この時期の介入けん制は相場の波乱要因になる可能性がある。

 貿易面では「日本の物品貿易の対米黒字は中国、ドイツに次いで巨額だ」と分析した。安倍政権には内需の底上げに向けて「短期的な財政刺激策や労働市場などの構造改革」を求めた。

 中国については、資本流出と人民元安を食い止めるため「中国当局が昨年8月から今年3月にかけて、4800億ドル(約51兆円)を超す外貨準備を取り崩した」と推測した。人民元高に誘導したにもかかわらず「中国の対米貿易黒字はさらに増加した」と指摘し、構造改革や財政支出による内需刺激策を要求した。

 オバマ政権は環太平洋経済連携協定(TPP)の大筋合意を受けて、貿易相手国の通貨政策を監視して対抗措置がとれるよう法制度を強化した。米議会で強まる自由貿易協定への反対論を抑えるためで、今回の報告書は法整備後の第1弾の動きとなる。

 米当局は監視リスト国がさらに不当な通貨の切り下げなどに動いた場合は是正を求め、最終的には大統領権限で政府調達停止などの措置がとれるとしている。

 ▼為替政策「監視リスト」 2月に成立した「貿易円滑化・貿易執行法」に基づき、米財務省が半期為替報告書で対米貿易黒字国を対象に初めて指定した。(1)対米貿易黒字が年200億ドル超(2)経常黒字が国内総生産(GDP)の3%超(3)為替介入による外貨買いがGDPの2%超――を条件に掲げ、部分的に抵触すれば監視リストに入れる。
 日本は3条件のうち(1)と(2)に該当している。仮に巨額の円売り介入に動いて3条件全てに抵触すれば、米国は2国間協議で是正策を求め、改善できなければ制裁対象とする。

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