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米、量的緩和終了を決定 ゼロ金利維持「相当な期間」
FOMC、雇用改善に自信

2014/10/30 15:30
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 【ワシントン=矢沢俊樹】米連邦準備理事会(FRB)は29日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、量的金融緩和の第3弾(QE3)に伴う資産購入を10月いっぱいで終了することを決めた。米雇用市場の見通しに「十分な改善がみられた」と判断した。2008年秋のリーマン危機からおよそ6年に及ぶ異例の金融緩和政策の正常化に向け、FRBは大きくかじを切った。

 声明は政策金利であるフェデラルファンド(FF)金利を事実上ゼロにする「ゼロ金利政策」について、量的緩和終了後も「相当な期間、維持するのが適切だ」との表現を据え置いた。金融政策の方向性を示す時間軸(フォワード・ガイダンス)を変えず、利上げを慎重に判断する姿勢を改めて強調した。

 FRBは同日、現在は月額150億ドル(約1兆6千億円)に減らした証券の購入を10月末で停止すると決定した。労働市場や物価安定を支えるのに「十分な力強さ」が米経済に備わったとの分析に立ち、打ち切っても問題ないと判断した。

 声明は米景気の緩やかな回復が続くとしたうえで、労働力の「著しい未活用」も段階的に低減されつつあると指摘した。雇用の見通しにも「十分な改善」がみられたとの自信を示した。懸案のインフレ率についても、適切な緩和を続けることでFRBの長期目標である2%を下回る傾向が常態化する可能性が「幾分、低減した」と説明した。

 同日のFOMCで緩和停止への反対票は、向こう1~2年のゼロ金利継続を主張した地区連銀総裁1人だけだった。声明も米経済の底堅さを印象づけたとの受け止めが多く、市場では「ややタカ派的だ」(英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド)と利上げ前倒し観測が広がった。

 声明は今後の景気指標が想定よりも早い雇用と物価の回復を示す場合、「利上げが早めに起きるだろう」とクギをさす一方、雇用などの回復が予想より遅い場合は利上げが遅れるとも指摘。現時点では中立の姿勢を堅持している。イエレンFRB議長は今月いっぱいでの緩和停止方針を表明済みで、この日の決定も想定通り。今後は15年中との予想が多い利上げのタイミングに焦点が移る。

FOMC声明のポイント
○米経済活動は緩やかに拡大続く。労働資源の未活用は少しずつ低減。
○調査を踏まえた長期のインフレ期待は引き続き安定し、2%を下回る傾向が常態化する可能性はいくらか低下した。
○労働市場の見通しは(12年秋の)現在の資産購入プログラム開始時よりも十分に改善した。
○最新の評価を踏まえると、今月末で資産購入が終了しても相当な期間にわたって政策金利の目標レンジを0~0.25%に据え置くのが適切。
○個人消費と企業投資はともに改善傾向が続く一方で、住宅市場の回復は鈍いまま。

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