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「負の遺産」にならない五輪計画に改めよ

2014/6/30付
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 2020年東京五輪の組織委員会や東京都は五輪会場の計画を再検討する方針を打ち出した。国際オリンピック委員会(IOC)などの協力を得ながら、しっかりと見直してほしい。

 五輪会場の整備は、新設する10の競技施設を都が担当し、組織委員会が仮設施設を、国が主会場である新国立競技場を建設する。五輪招致に立候補した段階で都がまとめた計画では、総事業費は4554億円を見込んでいた。

 しかし、資材や人件費の上昇で都の担当分だけでも建設費は当初案から2倍以上に膨らむ見通しだ。国立競技場の解体工事の入札が不調になるなど、工事費の上昇の影響は早くも表面化している。

 すでにバスケットボールやボートなどの会場を再検討する案が出ているが、この際、39の施設すべてについて精査すべきだ。既存施設をなるべく活用し、設備や工法も徹底的に洗い直してほしい。

 自然環境に配慮して、カヌー(スラローム)の会場を葛西臨海公園から移すことも必要だ。基本設計が固まった新国立競技場も、景観面への影響を考慮してさらに縮小した方がいい。五輪関連の施設が将来の世代にとって「負の遺産」になっては困る。

 東京五輪の特徴は選手村から半径8キロ圏に会場の大半を収める「コンパクトな五輪」にある。この基本理念は維持しながら建設費の抑制に取り組むべきだ。

 27日まで続いたIOCの調整委員会との会合では、計画を見直す背景について一定の理解を得られたもようだ。実際に変更する際には各競技の国際団体の意見をできるだけ反映する必要がある。

 20年に向けて道路や鉄道など様々なインフラを整備する構想も浮上している。老朽化した首都高速道路の更新など急いだ方がいい事業は確かにある。

 一方で、羽田空港を再拡張する構想のように、すぐに着手しても五輪に間に合わないものもある。こうした事業はこの際、五輪後に先送りするのも一案ではないか。

 東日本大震災からの復興を世界に示すことが、五輪開催の理念のひとつだったはずだ。五輪関連の工事が復興事業に悪影響を及ぼすことはできるだけ避けたい。

 会場計画の変更と並行して、都が中心になって東京の都市ビジョンを早急にまとめてほしい。そのなかでインフラ整備の優先度をしっかりと示すべきだ。

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