あすの名駅(1) 大村秀章・愛知県知事

2014/3/8付
共有
保存
印刷
その他

 名古屋駅の再開発を巡る動きが慌ただしくなってきた。東海旅客鉄道(JR東海)は2014年度中にリニア中央新幹線の建設工事を始める方針で、愛知県や名古屋市もリニア関係の職員を増やすなどして対応する。一方、名駅周辺の街づくりを話し合う協議会も林立するが、その将来像はいまだ定まらない。再開発の当事者たちに課題と展望を聞いた。1回目は愛知県の大村秀章知事。

地下でアクセス

 ――現在の名駅は国内外に誇るターミナルといえますか。

 「名駅では、JRの在来線があったところに東海道新幹線が加わった。そして地下には名古屋鉄道と近畿日本鉄道、市営地下鉄が入った。1日の利用者数が100万人を超える中部のスーパーターミナルだが、『複雑怪奇な迷路みたいで分かりにくい』という声が多くある。この構造は今回を逃すと二度と直せない。全ての鉄道とリニアにアクセスしやすい大空間を地下に作ることが欠かせない」

 「情報発信ができる公共スペースも欲しい。愛知には城を含む史跡観光があり、産業観光があり、グルメもある。せっかく多くの人が行き交うのだから、地域の見本市のような形のものがあっていいのではないか」

 ――県が策定中の「あいちビジョン2020」では、交通インフラの整備が一つのテーマになっています。

 「愛知に加え、岐阜県南部と三重県北部、静岡県西部までを加えた地域を『中京大都市圏』としている。東京から名古屋までリニアで40分、そこから在来線や新幹線で40分。乗り換え時間を含めて1時間半で東京につながる都市圏をどれだけ広げられるか。鉄道網の高速化を進めたい」

 「例えば、名鉄は知立駅(知立市)の高架化工事をやっている。完成後は、愛知の産業の心臓といえる豊田市と名駅が乗り換えなしでつながる。名鉄三河線の拡幅についても名鉄や地元自治体と相談していきたい」

 ――道路網の整備はどう進めますか。

 「中部は自動車交通が発達した地域。再開発に際して、私は名古屋高速を名駅まで延伸することが必須だと考えている。リニアや新幹線で名駅に来た人が、車で直接、高速道路に乗り込むという形をどうしても作りたい」

県がカネも口も

 「国内ではターミナル駅と高速道路が直結する例はないが、海外にはオランダのアムステルダム駅などがある。名高速は昨年11月に全線開通し、順調に借金を返済中だ。運営する公社には県と名古屋市が折半で出資しているが、延伸をやれる体力は十分ある」

 ――再開発の議論の進捗状況への評価は。

 「もっと急ピッチにやっていくべきだ。リニア新駅の建設や名高速の引き込みには広い用地の確保が必要。具体性のある絵姿を早く策定し、地元のご理解を得ないといけない。工事にも長い期間を要することを考えれば、2年以内に練り上げる必要がある」

 ――計画策定にどう関わっていきますか。

 「リニアが大阪に伸びるまでは、名駅が西日本の玄関口になる。再開発は市だけの問題にはとどまらない。公共的な部分だけを切り取っても相当な事業費だろう。県として応分のお金を出すし、バリバリ口も出していく。特に用地確保については、市やJR東海にはない経験が県にはある。一肌も二肌も脱ぐ覚悟だ」

(聞き手は木村慧)

共有
保存
印刷
その他

電子版トップ

【PR】

【PR】

主要ジャンル速報

北海道 7:01
7:00
東北 7:00
7:00
関東 7:01
7:00
東京 7:00
7:00
信越 7:01
7:01
東海 21:26
21:25
北陸 7:01
7:00
関西 6:32
5:55
中国 7:01
7:01
四国 7:02
7:01
九州
沖縄
22:04
6:01

【PR】



日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報