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NHKの公共性が問われる

2014/2/7付
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 NHKの籾井勝人会長の就任記者会見における発言に続き、2人のNHK経営委員の言動が国会で問題となっている。「不偏不党、公平中立」を掲げる公共放送としてのNHKのあり方が改めて問われているといえよう。

 籾井氏がNHKの会長に選ばれたのは、大手商社の三井物産や情報システム会社で培った国際性や技術的な知見が評価されてのことだった。しかし、籾井氏は会見で従軍慰安婦問題や特定秘密保護法などに関して個人的な意見を述べ、その後撤回はしたものの野党からの追及を受けている。

 一方、経営委員の百田尚樹氏は都知事選の街頭演説で特定候補を応援し、南京大虐殺はなかったなどと持論を展開した。長谷川三千子委員については、拳銃自殺した右翼団体の元幹部を礼賛する追悼文を発表していたことなどが問題となっている。

 経営委員はNHKの会長を任免する権限を持ち、事業計画や予算などについて執行部を監督する立場にある。法律的には思想や信条、表現の自由を妨げられないが、経営委員を務める以上は、一定の節度を持つべきである。

 NHKは6日に予定していた定例の会長記者会見を1週間延期した。中国や韓国などの周辺国や、受信料の担い手である視聴者からの反発に応えるには、公共放送としての信頼を回復できるよう説明責任を果たし、今後の対応策を示す必要がある。

 政府にも反省の余地がある。問題となったもとをたどれば、安倍晋三政権で選んだ新しい経営陣がNHKの公共性を揺るがしているともいえる。NHKの独立性が損なわれぬよう、政府との距離を保てる新しい人事の仕組みづくりも今後の検討課題だ。

 籾井氏に対する国会での追及はまだ続く見通しだが、本来、国会で議論すべきは後に控えたNHKの予算審議である。事態の収拾に向け、籾井氏も経営委員も公共放送としての原点に立ち返り、襟をただす必要がある。

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