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沖縄の決断に応え普天間の早期移設を

2013/12/28付
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 17年も立ち往生が続く問題に、解決の糸口がみえてきた。米軍普天間基地を沖縄県名護市辺野古に移設するのに必要な埋め立てを県知事が承認した。政府は早期に移設が進むようにさらなる努力を払わなければならない。

 「基地負担を全国で分かち合う動きが出始めている」。沖縄県の仲井真弘多知事は承認発表の記者会見で、安倍内閣が打ち出した米軍訓練の半数を本土に移すなどの方針を高く評価した。

 第2次大戦で全国で唯一、一般住民を巻き込む地上戦を経験し、戦後は長く米施政下に置かれた沖縄の県民には「日本に見捨てられた」との被害者感情がある。

 基地反対運動は事故や騒音をなくしたいだけではなく、全ての日本人が同じ苦しみを味わっているのかという叫びでもあった。政府のみならず、全国民がこの思いを心し、各地で自ら訓練を受け入れるようにしなければ移設作業は再び暗礁に乗り上げよう。

 年明けに移設先の名護市の市長選がある。宜野湾市の住宅密集地にある普天間基地が抱える事故の危険をどう取り除くのかなど原点に立ち返り、早期の移設の必要性を沖縄県民や名護市民に理解してもらう努力が欠かせない。

 今回の決着にはいくつか懸念もある。政府は沖縄県に普天間基地の5年以内の運用停止の検討を約束した。「検討」とはいえ、沖縄県民の受け止めは「停止」だ。「米軍が了解しないのでダメでした」では苦労して築いた本土と沖縄の信頼関係は揺らぐ。

 移設完了は埋め立て開始から10年近くかかるとされる。普天間に駐留する米海兵隊の居場所が一時的でもなくなれば、外からの侵略への抑止力は大きく低下する。

 仲井真知事は「国際情勢は県民の意思に関係なく緊張している」と話した。中国の海洋進出により沖縄の戦略的重要性はかつてなく高まっている。移設作業を少しでも短縮できるようにしなくてはならない。

 沖縄県民が「不平等条約」と考えている日米地位協定の改定は米政府が消極姿勢を崩さず、難航が予想される。沖縄県が求める基地の土壌汚染などへの調査権は、今後増えるであろう県南の基地返還を円滑に進めるのに欠かせない。

 政府は「米国と協議する」と断言したからには、すぐに諦めてはなるまい。140万県民の意を体して粘り強く交渉してほしい。

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