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「知る権利」揺るがす秘密保護法成立を憂う

2013/12/7付
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 国の機密を漏らした公務員などに厳罰を科す特定秘密保護法が成立した。衆院に続き、参院でも政府・与党が採決を強行した。

 この法律は国民の「知る権利」を揺るがす深刻な問題を抱えたままだ。慎重な対応を求める声は国会の内外で高まっていた。そうしたなかで、政府・与党は早期の成立へと突き進んだ。

 なんと拙速で強引な対応だろうか。法律の内容そのものも、また数をたのんで採決に持ち込んだ国会運営の手法も、まことに憂慮すべきものである。

 機密漏洩を防ぐ法制が必要なのは確かだ。しかしこの法律では行政が特定秘密を恣意的に指定できる。不都合な情報が隠され、秘密が際限なく広がりかねない。

 私たちは、指定が妥当かどうかを個別にチェックする第三者機関を設けるよう求めてきた。だが国会での議論は深まらず、法案の骨格は修正されなかった。

 採決に踏み切る直前になって、安倍晋三首相は国会答弁で「内閣官房に保全監視委員会を置く」と切り出した。これとは別に、官房長官が「内閣府に情報保全監察室を設ける」との考えを示した。不明確な点があまりにも多く、これが指定の妥当性を見極める手段になるのかどうか判断できない。

 適正な秘密指定を担保する制度は、この法律の最も重要な課題である。それが法律に明文化もされず、野党側の反応を値踏みするように小出しにされる。このことが、法律の制度設計がいかに不備であったかを象徴している。

 政府の新たな提案は、行政が行政をチェックする仕組みだから機能に限界がある。ただし法律で強い独立性と権限を与えるなど、時間をかけて議論すれば与野党が折り合えた可能性もある。通常国会へと継続審議にして法案を精密な設計にする道もあったはずだ。

 成立したこの法律では、指定範囲の絞り込みや取材の自由の明確化など、重要な問題が置き去りにされたままである。政府は「国民の懸念や不安を払拭する」という。そう約束する以上、法改正も含めた徹底的な見直しが必要だ。

 国が持つ情報は本来、国民のものである。特定秘密を含め、一定の期間がすぎた公文書は原則公開する。公開をめぐり不服があれば司法が適切に判断する。こうした制度を確立し、知る権利を保障するために、情報公開法や公文書管理法の早期改正も欠かせない。

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