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音楽の著作権管理にIT使った仕組みを

2013/11/6付
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 テレビやラジオで使われる楽曲の著作権料をめぐり、日本音楽著作権協会(JASRAC)の契約が他の管理業者を排除していると東京高裁が判断した。公正取引委員会が昨年下した審決を覆す内容で、長年続いた音楽業界の慣行を見直すきっかけとしてほしい。

 問題となったのはJASRACと放送局との間の包括契約。放送事業収入の1.5%を払えば楽曲を自由に使える仕組みだ。他の管理業者には著作権料を別途払う必要があり、経費節約のため一部の放送局が意図的にJASRAC以外の利用を控えていたという。

 実は公取委はJASRACへの立ち入り検査を経て、4年前に独占禁止法に基づく排除措置命令を出していた。だが一転して昨年、契約に問題はないとする審決を下した。高裁から審決を否定された今、公取委は自らの判断に過ちがなかったか検証する必要がある。

 JASRACは最高裁で争うことも検討しているようだが、重要なのは裁判の勝敗よりも、今後どうすれば著作権料を正しく徴収できるか、新しい仕組みを考えていくことではないだろうか。

 包括契約はもともとJASRACが音楽著作権をすべて管理していたことから生まれた。どんぶり勘定のほうが放送局にも管理団体にも都合がよかったからだ。

 ところが演歌からポップスなどへと嗜好が移る中、著作権料の分配方法に疑問の声が上がる。12年前の法改正で管理業務への新規参入が認められたのはそのためだが、包括制度によりJASRACの独占状態は変わらなかった。

 では新たにどんな仕組みが考えられるのか。一つはIT(情報技術)の活用だろう。音楽のデジタル化で最近は作曲家などの情報を簡単にデータベース化できる。放送中の楽曲から題名も特定でき、利用実態を正確に捉えることができるようになったからだ。

 音楽のネット配信はすでに楽曲ごとに課金しており、放送でも同様な仕組みを業界としてつくることは可能なはずだ。著作権管理業務の透明性も高まるに違いない。

 放送局にも意識変革が必要だ。楽曲を自由に使い番組制作に専念したい意向は理解できるが、特定の楽曲を排除している現状は看過できない。むしろ楽曲を上手にデータ管理すれば、視聴者の嗜好を把握するツールにもなろう。デジタル時代に見合った仕組みづくりに今こそ取りかかるべきだ。

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