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米国経済の足を引っ張る不毛な政治対立

2013/10/3付
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 米国が17年9カ月ぶりに一部政府機関の閉鎖に追い込まれた。民主、共和両党が1日から始まった新しい会計年度の暫定予算案で合意できなかったためだ。

 不毛な政治対立は、復活し始めた米国経済の足を引っ張り、世界景気にも悪影響を及ぼしかねない。大統領や与野党の政治家が合議で物事を前に動かす米民主主義の伝統を取り戻すべきときだ。

 予算協議が物別れに終わったのは、野党の共和党が予算案に同意する条件として医療保険改革法(オバマケア)の修正を求めて譲らなかったためだ。オバマケアはオバマ大統領の選挙公約ということもあって、与党・民主党も妥協を拒否した。

 すでに法律が成立したオバマケアの骨抜きを狙って強硬な姿勢を続ける共和党の戦術には疑問が残る。一方、大統領が十分に指導力を発揮していないという指摘もある。いずれにせよ、予算案が宙に浮いて政府機関がマヒする異常事態は早急に解消すべきだ。

 与野党は連邦政府の債務の上限引き上げを巡っても対立している。もし共和党が今月中旬までに引き上げを認めなければ、国債の元利支払いができなくなる恐れもある。米国内外の金融市場に与える衝撃は極めて大きく、政府機関の一時的な閉鎖よりもはるかに深刻な事態になる。

 米国経済は住宅市場の回復を背景に明るさを増しており、成長減速が目立つ新興国に代わって世界経済のけん引役になるとの期待もある。政治の不手際によって、米国や世界の景気拡大の芽をつぶすようなことがあってはならない。

 政治の混迷は由々しきことだが、対立をもたらした根本原因に米国の政府債務の膨張があることも見逃すべきではない。政府の借金拡大は中長期的には経済や生活を脅かすとの認識が、激しい論争につながっている面もある。

 経済への影響を見極めつつ財政再建を着実に進めることは、高齢化で社会保障費が膨らむ先進国の共通テーマだ。とくに国内総生産(GDP)に対する公的債務の比率が先進国で最悪の日本にとっては待ったなしの課題である。

 日本政府は消費税率の引き上げを決めて財政再建に真剣に取り組む姿勢を示したが、これだけで問題が解決するわけではない。経済成長を促す政策と歳出抑制や増税を組み合わせて財政悪化を食い止める努力を怠ってはならない。

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