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懐疑論を超え温暖化抑止に行動を

2013/10/1付
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 地球温暖化の進行は「疑う余地がない」とする報告書を国連の作業部会が公表した。

 猛暑や豪雨など異常気象が頻発し温暖化はもはや現実の脅威といえる。世界各国が足並みをそろえて温暖化ガスの削減に取り組むことが急務だ。日本政府は新たな削減目標を早く決め、必要な政策を講じる責任がある。

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第1作業部会が報告書を公表したのは6年ぶり。21世紀末の地球の平均気温は2000年ごろに比べて、最も高いケースで4.8度上昇するなどとした内容は、前回報告とおおむね同じだ。同じであることに、今回は重要な意味がある。

 前回の報告書が出た後、記述内容に誤りが見つかり、IPCCは報告の作成手順を改め、点検を厳正化した。また気候学者らが私的にやりとりした電子メールが暴露され、温暖化の科学への信頼を揺るがせかねない誤解を生んだ。

 さらにここ10年ほど世界の気温上昇のテンポが鈍っているため、温暖化の進行そのものに疑問を投げかける声もあった。

 今回の報告は、様々な批判や懐疑論を踏まえたうえ、世界の気候学者らが改めて温暖化の進行と脅威を確認した点で意義が大きい。

 気温上昇の鈍化の原因も近年は海が熱を吸収し温まっているためだとわかった。海の生態系への悪影響が心配なうえ、いずれ大気の温度上昇も避けがたい。

 一方、この6年間、世界の温暖化対策は停滞した。国連の会議は各国の利害調整ができず、今世紀末までの気温上昇を「2度未満」に抑えると決めたものの、その達成は年々難しくなるばかりだ。

 日本政府はいったん国際社会に約束した「20年までに温暖化ガスを1990年比で25%削減する」目標を白紙に戻す方針だが、代わりの目標を打ち出せないでいる。

 原子力発電所の稼働数が見通せず、原子力や火力などの電源構成が決まらないからだという。しかしこれは考え方の順序が違う。

 温暖化ガスの削減目標は将来の電源構成が定まった後に決めるものではない。削減目標が先にあり、火力や原子力、再生可能エネルギーをどう組み合わせるかの判断基準とするのが本来だ。

 政府は新削減目標と対策を早期に示し、温暖化抑止に向けた国際協力体制の強化を後押しする役割を果たすべきだ。

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