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疑問点があまりに多い秘密保護法案

2013/9/7 3:30
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 国の安全や外交にからむ機密情報の漏洩を防ぐため、新たな法律をつくる作業が進んでいる。政府は法律案の概要を公表し、一般からの意見募集を始めた。秋の臨時国会に提出する構えだ。

 この法案には疑問点が多い。そればかりか法律の必要性そのものについても議論の余地が残る。もとより国民の権利侵害につながりかねない重大な問題である。さらに丁寧に説明を尽くし、慎重に検討を重ねていくべきであろう。

 法案では、防衛、外交、安全脅威活動、テロの4分野のうち特に秘匿すべき情報を、各省の大臣が「特定秘密」に指定する。公務員がこれを外部に漏らした場合、最高で懲役10年の刑罰を科す。

 特定秘密となりうる具体的な事項については、法律の別表で「安全保障に関する外国政府との交渉」などと個別に定める。だがこの規定は広すぎる。秘密の範囲拡大に歯止めがきかず、都合の悪い情報を隠す形で使われかねない。

 秘密の指定が妥当かどうか、事後的にでも検証できる仕組みが必要ではないか。さらに、一定期間が過ぎれば開示したり、個別の指定に対する異議や不服を受け付けて裁定する機関をつくったりすることも検討すべきであろう。

 罰則も重すぎないか。幅広く秘密の網をかけて重罰を科せば、公務員の側は萎縮してしまうだろう。本来公表すべきものまで秘密にするような副作用が心配される。2005年に個人情報保護法が施行された際の過剰反応を考えれば、十分起こりうることだ。

 秘密情報は受け取った側も罰せられる。正当な取材行為は処罰の対象にならないが、何が正当なのかは明確ではなく、報道の自由にも悪影響が及ぶ。こうしたことと合わせて、国民の知る権利が制約されるおそれがあるのだ。

 安全保障にかかわる機密の保持は重要である。だが新たな法案にどの程度の効果があるかは不透明だ。漏洩への処罰規定がすでに設けられている国家公務員法(最高刑懲役1年)や自衛隊法(同5年)など現行の枠組みでは本当に対応できないのだろうか。情報管理体制の強化こそが第一であることも忘れてはならない。

 国の情報は公開が大原則のはずだ。これまでの情報公開への取り組みや公文書管理の扱いを見ていると、政府は原則をなおざりにしたまま、情報の囲い込みにばかり目を奪われているように思える。

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