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消費増税を固め歳出削減にも踏み込め

2013/8/9付
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 消費税増税と歳出削減に並行して取り組まない限り、財政の健全化はおぼつかない。政府の中期財政計画はその両方を曖昧にしている。これでは日本の経済運営への信頼感は高まらないだろう。

 まずは2014年度からの消費税増税を固めるべきだ。そのうえで中期財政計画を練り直し、もっと踏み込んだ歳出削減のメニューや目標を示す必要がある。

 安倍晋三首相は消費税増税が景気に与える影響を検証するよう指示した。有識者らの意見を聞く点検会合を今月下旬に開き、その結果も踏まえて税率引き上げの時期や幅を秋に最終判断する。

 首相は消費税増税がデフレ脱却の妨げになることを心配している。5%の税率を14年4月に8%、15年10月に10%まで引き上げる予定だが、4~5段階にわたって小刻みに上げる案や、当面は見送る案も検証されているという。

 景気への影響には注意すべきだ。だが財政再建の一歩を踏み出す消費税増税を先送りするリスクは大きい。日本の成長力を高め、増税の負荷を和らげるポリシーミックスこそが重要ではないか。

 消費税増税だけで問題を解決できるわけではない。予定通りの増税を織り込んだ政府の試算によれば、国・地方の基礎的財政収支の赤字を15年度に半減する目標はクリアできても、20年度までに黒字化する目標は達成できない。

 この試算は年平均3%台の名目成長率を前提としている。楽観的なシナリオと言わざるを得ず、「現実的には15年度の赤字半減すら難しい」との声も出ている。

 消費税増税のみならず、歳出削減も必要なのは明らかだ。中期財政計画が基礎的財政収支の改善目標を堅持するというだけで、歳出の上限や削減の手段などを明示していないのは疑問である。

 歳出削減の本丸は社会保障費の効率化にある。高齢化などの影響で自動的に増える年1兆円規模の「自然増」を放置したままでは、財政の悪化に歯止めがかからない。もちろん地方交付税も聖域ではない。安倍政権はこうした支出の抑制に本腰を入れるべきだ。

 一方で成長力の強化に資する事業に予算を重点配分する必要もある。14年度予算の概算要求基準では、成長戦略の実行などを後押しする「優先課題推進枠」を設けた。旧来型の公共事業ではなく、自然エネルギーの普及や新産業の育成に役立つ事業を選別すべきだ。

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