100日裁判の経験を生かそう

2012/4/14付
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 犯行を直接裏付ける証拠がない難しい事件で、過去最も長い100日間を費やし、裁判員が極刑の結論を導き出した。

 首都圏の男性3人を練炭で中毒死させたとして殺人などの罪に問われた無職、木嶋佳苗被告に判決があった。さいたま地裁は「極めて重大かつ非道な犯罪を3度も繰り返した」と被告の犯行を認定し、求刑通り死刑を言い渡した。

 裁判員は肉体的、精神的に大きな負担が強いられることを、この裁判は改めて示した。公判前の整理手続きでさらに争点を絞り込んだり、法廷での証人への質問をスムーズに進めるなど、工夫の余地はあるのではないか。司法関係者はさらに知恵を絞ってほしい。

 一方で、裁判員として今回のような難しい事件を担当する可能性はだれにでもある。私たち一人ひとりが「市民の司法参加」という制度の意義を改めて受け止め、よりよい裁判員裁判のあり方を考えるきっかけにしたい。

 木嶋被告は2009年に交際していた会社員ら3人を殺害したとして起訴された。弁護側は直接証拠がないと無罪を主張し、「疑わしきは被告人に有利にというのが刑事裁判の基本」と訴えた。

 判決は、木嶋被告が男性3人の死亡直前にいずれも会っており、現場の練炭とこんろは被告が購入したものとメーカーや個数が一致するといった状況証拠を一つ一つ検討し「犯人は被告人であると優に認められる」と結論付けた。

 判決後、記者会見した裁判員の一人は「裁判が進むにつれてだんだんつらくなった。だが、逆に期間が長く結束することができ、達成感がある」などと話した。

 今回の裁判では裁判員の選任の段階で多くの候補者が辞退した。辞退者が増えると、裁判員の編成が偏る可能性もある。やはり長期審理の弊害は大きく、少しでも短縮する努力が欠かせない。

 裁判員制度は5月に見直しの時期を迎える。こうした経験者の声を十分に聞き取り、制度に反映していくことが何より重要だ。

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