ノートを買い求めるビジネスパーソンが増えている。会社から支給される事務用品が減ったこともあるが、書き心地の良い新製品が続々と登場していることが、購買意欲を刺激しているようだ。スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)の普及などでノートの電子化が進んでも、氾濫する情報を整理したりアイデアを温めたりする道具として重宝する人は多い。学生が主体だったノート市場を社会人が活気づけている。
1月中旬の渋谷ロフト(東京・渋谷)のノート売り場。老舗メーカー、ライフ(東京・千代田)の「ノーブルノート」を初めて購入した男性会社員(32)は「仕事で思い付いたアイデアをちゃんと書き残したくて」と話す。
同ノートはB6サイズ(横書き)で840円。平均単価が200円前後とされるノートの中では高めだが「古典的な表紙デザインが気に入った。いい加減に書いてしまわないように、良いノートを選びたい」と迷いはない。
同店では「ツバメノート」(大学ノートで150~480円)や「モレスキン」(縦21センチメートル×横13センチメートルで2730円)など、老舗の高品質ノートの売り上げが昨年から増加。東急ハンズでは2011年12月のノート売上高が前年同月比25%増となった。「ここ2~3年でノートの種類も増え、勉強用だけではなく仕事用にも使えるというイメージが浸透してきた」(東急ハンズ)という。
化粧品メーカーに勤める女性会社員(47)も無地のノートを積極活用している。タブレット端末「iPad(アイパッド)」なども持っているが、「思い立ったときにすぐに記入できない。打ち合わせや自分の頭の中で物事を整理するときにはノートの方が便利」と話す。
ノート大手のマルマン(東京・中野)では「紙に書く感覚が脳を刺激し、発想が広がるという人もいる。IT(情報技術)が発達すればするほど、その反動で五感を刺激するものが求められるようになるのでは」と分析。同社のサラリーマン向けノート「ニーモシネ」(通常ノートで420~472円)は200万冊を突破。書き心地を追求した独自の紙質が受けてリピーターも多い。
矢野経済研究所(東京・中野)の調べによると、10年度の紙のノートの国内出荷額は229億円。09年度比で2%増え、3年前に比べ14%増加した。11年度も新商品の発売が多く、前年度比2%増える見込みだ。








