なぜ日米FTAではないのか TPPを知る(3)
アジアと連携強化狙う

2011/11/3付
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 環太平洋経済連携協定(TPP)に日本が加わると、参加10カ国の国内総生産(GDP)合計に占める日米両国の割合は96%に達する。「TPPは事実上の日米自由貿易協定(FTA)」と指摘される理由がここにある。ではなぜ、日本政府は2国間のFTAではなく、多国間のTPPを目指すのか。出遅れた貿易自由化競争で、逆転を目指す狙いが隠されている。

 GDPでは日米両国が9割超を占めるが、貿易額では両国の比重はそれほど高くない。例えば2010年の日本の対TPP参加国貿易額に占める米国の割合は52%。残りは豪州(17%)やマレーシア(11%)などアジア諸国だ。TPPの主眼は米国との自由貿易拡大に加え、今後成長が見込まれるアジア太平洋諸国との経済連携強化にある。

 TPPが最終形として目指すのは、より多くの国が参加するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)。日米をはじめとする資本主義国でアジアの自由貿易ルールを作り、中国を将来引き込む思惑もある。日本にはTPPに参加することで、2国間FTAで出遅れた経済連携を一気に「面」で展開できる利点がある。

 TPPには、交渉余地が大きいというメリットもある。日米2国間で協議を進めるのとは違い、医療分野などで他国と利害が一致すれば共闘が可能。米国の要望を一方的に受け入れざるを得ないという状況にはなりにくい。交渉に早く参加すれば、日本に有利に議論を進めることも可能だ。

 米国も2国間協議から地域の包括連携に傾いている。米韓FTAで署名から批准まで4年かかるなど、議会承認を考慮すると費用対効果が薄いとみているからだ。世界の自由貿易の枠組みである世界貿易機関(WTO)の多角的通商交渉(ドーハ・ラウンド)は米国と中国など新興国の対立で頓挫しており、主要国が各地域で自由貿易圏をそれぞれ形成する展開になっている。

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