春秋

2010/3/22付
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 経済団体の事務局の幹部を務めた人が「最近経営者が小粒になりましたね」としみじみと語るのを聞いた。今に始まったことではないが、思い当たる節がある。例えば業績が悪いとマスコミを敬遠して引きこもる上場会社の社長がいる。

▼内弁慶で打たれると弱いのかもしれない。「会社は経営者の器以上には大きくなりません」という趣旨の話を、サッシ大手トステムの元会長の潮田健次郎さんから聞いた覚えがある。器すなわち度量だ。有能でも一人の力には限りがある。器の大きな経営者は、いろいろな個性の人材を生かして事業を発展させる。

▼繊維中心だった伊藤忠商事を総合商社に育てた元社長の越後正一さんを思い出す。全く肌合いの違う元大本営参謀の瀬島龍三さんを採用して縦横に働かせた。瀬島さんがデマによって中傷された時である。その歯牙にかけない態度を見て「もしだまされても、自分は運がなかったのだ」と腹をくくり重用し続けた。

▼越後さんの講話をまとめた「大阪商人道を生きて」に載っている挿話で「閥」が一番嫌いだとも述べている。企業にできる閥は学閥や出世コースによるものなど様々だ。狭量な社長はえてして閥を作り、異質な人材を遠ざける。器の小さいトップは自分より小粒な後継者を選び、企業はこうして衰亡の道をたどる。

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