日経サイエンス

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

実は存在、ビッグバン以前 宇宙誕生の痕跡を初観測
日経サイエンス

(1/2ページ)
2014/4/26 7:00
共有
保存
印刷
その他

日経サイエンス

 宇宙誕生直後に起こった現象として「ビッグバン」はよく知られている。このビッグバン以前に、極小だった宇宙全体が一瞬で急膨張する「インフレーション」現象が起きていたとする説が、宇宙誕生の謎を説明する理論として有力視されている。

 米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターなどの研究グループは3月、このインフレーションが起きていたことを示す証拠を発見したと発表、世界的な大ニュースとなった。そのインパクトは昨年のノーベル物理学賞の受賞テーマであるヒッグス粒子の発見を上回るともいわれる。

BICEP2望遠鏡は南極点から約800m離れた場所にある。写真は米アムンゼン・スコット基地のダークセクター実験棟と呼ばれる建物で,BICEP2は手前の建物の屋上,おわん形のシールドの中に置かれている。画面奥に見えるのは同じく原始重力波を探索している南極点望遠鏡(画像はSteffen Richter、 Harvard University提供)
画像の拡大

BICEP2望遠鏡は南極点から約800m離れた場所にある。写真は米アムンゼン・スコット基地のダークセクター実験棟と呼ばれる建物で,BICEP2は手前の建物の屋上,おわん形のシールドの中に置かれている。画面奥に見えるのは同じく原始重力波を探索している南極点望遠鏡(画像はSteffen Richter、 Harvard University提供)

■時空のゆがみを検出

 研究グループが南極の米アムンゼン・スコット基地にあるBICEP2望遠鏡を使って観測したのは、天球上、天の川からかなり離れた星が少ない暗い領域から来るマイクロ波(電波の一種)。

 このマイクロ波は非常に遠くの宇宙から来たと考えられ、その到来方向ごとに「偏光」と呼ばれる電波の振動方向の偏り具合を調べた。その結果、インフレーション時に生じた時空のゆがみが波として伝わる「原始重力波」に特徴的な偏光パターンが見つかった。

 もっとも、原始重力波の証拠を発見したと証明するためには別の複数の波長域のマイクロ波の偏光について同様に調べ、理論予測と高い精度で一致することを確認する必要がある。今回の観測は全天の1%に満たない領域を対象にしたものなので、最終的には全天にわたって同様の観測をする必要がある。

  • 前へ
  • 1ページ
  • 2ページ
  • 次へ
共有
保存
印刷
その他

電子版トップテクノロジートップ

関連キーワードで検索

ハーバードインフレーション観測

日経サイエンス


【PR】

日経サイエンス 一覧

フォローする

Myニュース

有料会員の方のみご利用になれます。
気になる連載・コラムをフォローすれば、
「Myニュース」でまとめよみができます。

探査機プランクの観測で得られた宇宙マイクロ波背景放射の全天マップ。誕生から38万年後の宇宙の温度揺らぎが刻み込まれている。オレンジ色は相対的に温度が高い領域、青色は温度が低い領域。(画像は ESA and the Planck Collaborationによる)

ESA and the Planck Collaboration

宇宙誕生直後の謎 カギ握る「最古の光」

 宇宙は約138億年前に誕生した直後、「インフレーション」と呼ばれる急激な膨張が起きたと考えられている。このインフレーション理論は1980年代初めに佐藤勝彦博士(現・東京大学名誉教授)らが提唱した。一…続き (4/29)

レーザー光を帆に受けて進む探査機のイメージ。イラストはChris Wren, Mondolithic Studios

光速の5分の1、史上最速の宇宙ヨットで恒星へ

 シリコンバレーの大富豪の資金援助によって、太陽系に最も近い恒星ケンタウルス座アルファ星に探査機を送り込む「ブレークスルー・スターショット」という計画が持ち上がっている。聞き慣れない名前の星だが、南半…続き (3/25)

「運動してもやせない」 人体はやりくり上手

 ジムに通っても、ジョギングしてもなかなかやせない──。多くの人に経験があることだろう。それは努力不足というよりも、私たちの身体の仕組みそのものによるところが一因かもしれない。

■生活様式が違っても消費…続き (2/25)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

日経産業新聞 ピックアップ2017年4月28日付

2017年4月28日付

・プログラミング技術高い学生、面接行くと支援金 ギノ、IT企業の採用後押し
・旭化成 深紫外線LEDで殺菌 窒化アルミニウム活用
・メタウォーター、カンボジアで省エネ設備 浄水場ポンプの消費電力削減
・三井化学、化学品製造に使う触媒酵素、社外向けに開発
・ALSOK、水害時の避難を支援 介護施設の計画づくりや訓練…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト