豊富な海の幸に恵まれた北海道はすし屋のレベルが違う。高くてうまいのは当たり前だが、札幌のすし店は激しい競争の結果、地元ならではの鮮度と驚きの安さを両立させている。5000円もあればお釣りがくる店を3回にわたって紹介しよう。まずはもっとも手軽だが満足感はあなどれない回転ずし。
一歩店内に入ると威勢のいい太鼓の音が響く。ここは回転ずし店、なごやか亭の白石本通店(札幌市白石区)。三浦和宏店長が力強くバチを振っている。
運営会社の三ッ星レストランシステム(北海道釧路市)にとって、白石本通店は133席を擁する最大規模のすし店。1時間ごとに職人らが太鼓をたたき、店内の雰囲気を盛り上げる。谷川富成社長は「子どもの誕生日と聞けば祝いの気持ちを込めてたたく。その場の状況に応じて喜んでもらえる工夫をこらしています」と笑う。
■皿からこぼれそうなイクラの山
回転ずしといっても、なごやか亭では職人が目の前で握る。ネタ、シャリとも大きいのが特徴だ。ネタが皿からはみ出すほど。一目で105円均一の回転ずし店との違いが分かる。デカネタサーモンは1皿136円で食べ応えがあり、お得感が強い。
こぼれいくら(525円)はイクラの軍艦巻き。「たくさん召し上がって下さい」。三浦店長が目の前で皿からあふれるほど盛りつける。これだけの量のイクラを一気に食べたのは初めて。独特の食感を堪能できる。
ネタだけでなく、ノリ、ワサビ、ガリなどにも凝っている。手巻きのノリは上質な九州・有明産を採用。とろたく手巻き(273円)をほお張ると、ノリのぱりっとした風味が口に広がった。
■すしは握りたてより……
「メニューは130種類ほど。ちょっと多すぎるくらいの品ぞろえ」と谷川社長。基本メニューは1皿126円から525円。季節メニューでもう少し高いものもある。
ネタのほぼ半分は北海道産で、イクラだけでも道産品を年25トン仕入れている。一方、サバは九州で買い付けるなど、北海道内外に仕入れのネットワークを広げている。1500円ほどあれば満足できそうだ。
「握りたてより、少し時間がたってからの方がうまい」。谷川社長が意外な話をしていた。
握りたてのすしはシャリが温かく、ネタは冷たい。両者の温度が近付くのを待った方がおいしく食べられるという。とはいえ回転している間にネタが乾いてしまうと味は落ちる。サバ、マグロなど乾きやすいネタは、できるだけ注文が入ってから握るように配慮しているそうだ。
谷川社長直々のお薦めは、タラバガニ・数の子・本まぐろ中とろの3点盛(630円)。ボタンえび・活あわび・すじこの3点盛(630円)や、こぼれいくらも好評という。なごやか亭は北海道内では札幌9店、釧路4店、帯広2店。このほか関西に2店あり、計17店。今後は北海道外の店舗網も拡充する方針だ。
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